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TOP PAGE > ブログ > 修理・整備 > 2016年12月11日

タイヤ交換のDIY。手組みのコツ

 インターネットの普及に加え、ユーチューブの普及も手伝い、、

 過去、年配の方くらいしかやらなかったタイヤの手組みが、(DIYとして自宅の庭先でやるタイヤチェンジャーを使わないタイヤ交換。 タイヤ交換工賃の相場一本1,000円〜2,000円を考えれば、、 成功すれば割とコスパ良いDIYの一つと言えるでしょう)

 ここのところ密に急増しているとかいないとか。。

 ただそれら動画や解説を見よう見真似でチャレンジされようと-- しかし何故か上手くいかない方も多いようで、ちなみにそういった方の大半は、おそらく ”タイヤ交換の本質的コツ” を理解されていないようで、、(実際動画を見ていても、経験者は既に何も考えずに当然の如くやっているが〜 しかしあまりにも当然のことすぎて? そのコツまで触れられていないケースは多いですね)

 というわけで今回、そのコツ等について少々触れておきましょうか。。(当社では普段はチェンジャーを使いますが、あえてコツ解説のため 手組みで実践解説してみました)

 ※ DIYでのタイヤ交換、なおかつ手組みとなれば〜 少なくともホイールにキズが入ってしまうリスクが御座います。 またコツを無視して強引にタイヤをねじ込もうとした場合など、ホイールが変形したり、あるいはタイヤ側が破損してしまいタイヤが使い物にならなくなってしまうことも。。(コツがわかっていても、偏平率の低いタイヤや大径ホイールなどサイド部分が固いタイヤも同様かと)

 これら予め十分ご留意等の上にてのチャレンジを。(もちろん当サイト情報の参考も自己責任にて願います)
 ※ またここでの解説は、ある程度他の方の動画などを見られ 一連の作業方法を勉強&研究されている方向けとしての補足解説としておりますので、この辺りも一応予め。

ビードとホイールのくぼみの関係

 先ずホイールを横にして見てもらえば一目瞭然ですが、どのホイールも必ず中央部分、もしくは中央からややずれた位置がかなりくぼんでいます。

ホイールのドロップ

 この部分は用語的には ”ドロップ” と言い、

 ちなみにいきなり本質に触れちゃいますが、

 この ”くぼみ” をいかに有効活用するか? それがタイヤ交換成功に最も重要なコツ と言えるでしょう。

 というわけで取りあえずタイヤの装着を例に、(組み込み) 話を進めていきましょうか。。

ホイール

 まず ”くぼみ” の位置が上側になるようにホイールを置きます。

 鉄ホイールの場合はそれほど気にしなくともいいですが、アルミホイールには ”リバースホイール” と呼ばれる構造のものがあり、そのリバースホイールは ”くぼみ” がホイール裏側に寄っていると思われますので、その寄っている方を上面に向けホイールを構えます。 (くぼみ側を常に上面に構える)

 それは何故か。

 その ”くぼみ” を有効活用するためです。

 それから上からタイヤをかぶせていきます。

タイヤの手組みDIY

 ちなみにそのタイヤをかぶせる前には、

 タイヤのビード部分にたっぷりの潤滑材を塗布しておくことは忘れずに。(内側も忘れずに)

タイヤのビード部分

 あ、そう言えば、、 このビードに塗る潤滑剤は、カー用品店や車屋さんなどでは ”ビードクリーム” と呼ばれるラード状のものを使いますが、

 もしなければ ”グリス入り潤滑剤” でも十分代用できますので、(CRC KURE556のような潤滑剤はやや滑りが悪いので、出来ればグリスが封入されている潤滑剤を推奨)

 一応参考などまでに。

 なお、このタイヤをかぶせる時、タイヤの内側(ビード)の一部をホイールにはめ込んでからのスタートとなるわけですが、

 この時!

 必ず ”くぼみ(ドロップ)” へ食い込ませるようなイメージで、そこから始められてください。

タイヤのビードがドロップへ食い込む

 YOU TUBE動画を見ていると、タイヤの組み始めに やたらホイールにタイヤを食い込ませようとしている動画もよく見ますが、その初動の意味がこれなんですね。。

 そしてその食い込みを徐々に左右へ広げていくようにタイヤを上から押さえていき、(はめこんでいくビードの全てをドロップへ食い込ませていく感じ。 ちなみにこの途中、最初(始点)の食い込み部分が甘くなってきていると他のビードの食い込みも悪くなってしまいますので、都度始点の食い込みを確認&補助しながら作業をすすめていきます

 ※ タイヤの組み始め位置は、チェンジャーなど使う場合には バルブのある位置からスタートするのですが、ただ手組みの場合にはタイヤを上から足で踏んだり手で押したりの頻度が多く、ビードが頻繁にこのバルブ裏に接触しやすいですから、(あまり多く接触するとバルブが破損する恐れあり) 手組みの場合にはバルブから最も遠い位置からスタートするのがよろしいかと。(タイヤのはめこみの終点付近にバルブが来るようにする)

 まずは片側のはめこみ終了。

 ※ この時、動画とかではフィニッシュにプラスチックハンマーで叩くシーンも見られますが、しかしこの ”ドロップ” を上手く使いこなせていれば、、 わざわざハンマーで叩くことなく体重だけであっけなくスポンと入りますので、この辺りで上手くドロップを有効活用出来ているかどうかの確認にもなるでしょう。(人によって体重だけでタイヤが入っているシーンもあり、これは上手くドロップを使いこなせているいい例と言えるでしょう)

 続いて最終難関のもう片面。

 ただこれも、これまでのドロップ理論が正しく理解できていれば〜 そうたまげて難しいこともなくすんなり完了しますので、一応予め。

 もちろん始点からがっつりビードをくいこませてください。

タイヤのビードを常にドロップへめり込ませる

 その状態を保ちつつ〜

 上から上手く体重を乗せるなどして 始点から徐々にビードを左右へ入れていき、

タイヤのビードを常にドロップへめり込ませる2

最後固くて入りそうもない部分でレバー(バールのようなタイヤレバー)などを使い補助してやり、(この辺りは動画で十分確認できるでしょう。 ちなみにこの時、潤滑剤をさらに塗布するなどしてより滑りを良くしておくのもひとつのポイントかな

完成

 完成。

 ※ なおこの時、動画とかでは長いバール(レバー)を何本もかけてやっているシーンも多いですが、これは17インチのホイールとか偏平の低いタイヤとかサイド部分が固いタイヤで、ビードをドロップへ落とそうとやっているワンシーンかと思われますが、軽自動車なら13インチくらいまで、普通車だと15インチくらいまでならバールを何本もかけなくとも体重&体重移動だけで十分に行けるはずですから、(ていうか下手にバールを使ってビードを落とそうとすると 逆にドロップへ食い込み難く 全然うまく行かないことも多いです)

 最初からバールなどを使おうとせず、十分ドロップの有効活用に気を使いながらの作業が望ましいと言えるでしょう。(またその方が、ミスも減らせるかと考えられます)
 /// 注意 ///
 最後フィニッシュのレバー補助の際、入っているビードがきちんとドロップへ十分食い込んでいることを確認! 食い込みが不十分だとレバーが過度にビードへ力がかかるため、ビード部分が損傷してしまったり〜 ホイールのリムが曲がってしまったりと〜 トラブルの種になってしまいますので、最後の最後まで決して気を抜かないように。 

 ちなみに今回は、話のネタとして手組みしてみたので、、 使ったレバーは 車載工具にあるようなジャッキレバー一本でやってみましたが、

手組みに使った工具

 まあ上手くドロップが有効活用出来ていれば、こんな貧弱な工具ひとつででも交換出来ちゃいますよ、、 といったシメのお話までに。(長いレバーで思いっきりテコらなくても 簡単な工具であまり力入れなくとも出来るという意味で)

 /// 注意 ///
 私が使ったレバーはあくまでネタまでに、本来このようなビードに当たる部分が丸く一点に力がかかってしまうようなレバーだと、そう大して力を入れていなくとも ビード部分に過度に力がかかりやすく ビード部分が損傷してしまうこともありますので、、 このシーンで使うレバーは 皆様は必ず専用のタイヤレバーを使ってくださいね ^^ (タイヤレバーは平べったいため、ビードにかかる力が分散される)

 それと使うレバーにも、(ビードが当たる部位) 十分潤滑剤を塗布してからの作業を推奨しておきますね ^^ ビードとレバーの当たりの滑りがよくないと、入りがスムーズにならないばかりか〜 ビードが思いがけない損傷を受けてしまうことがありますので。。 この辺りなどにも十分ご注意ください。

ビードを落とすとは?

 これはタイヤを組み込むときの話ではなく、外す時に出てくるキーワード。

 ちなみに外す時にも例の ”くぼみ” が重要事項として並びますが、

 しかし、外す時にはもっと前提的に最重要項目があり、、

 それが ”ビードを落とす” という作業。

 ん? バールでコネったり、タイヤのサイド部分を強く抑え、ホイールのリム部分へ貼りついているビードを引き離す(ホイールとタイヤを分離させる)作業でしょ?

 感じ的にはそうかもしれませんが、それは違います。

 じゃあその作業での目的は?

 まずこの画をご覧ください。

タイヤホイールの断面図

 これはタイヤが装着された状態のホイールなど断面図。 そう見えなくともそう思い込んでみてください。

 んん? 直感的にもうお気づきの方もいらっしゃるのでは?

 ビードの内側に何やら突起している部分が、、

 そう! それです。

 ちなみにその部分は ”ハンプ” と言いまして、

ホイールのハンプ

 まあ細かく話すとややこしくなるので、ここでは ”走行中など不意なアクシデントでタイヤがホイールから外れてしまう事を防ぐもの” とだけ理解しておいて頂ければ問題ないかな。

 ちなみにハンプと言っても形は色々。 上記のような小高い突起になっているものがあれば〜 もっとデカい山になっているもの、それから緩やかなカーブ状程度にしかなっていないもの等まで、、 タイプはけっこう色々ありますので、これら限定的ではなく ある程度広義的に捉えておいて頂ければ幸いです。

 そのハンプが事実上 タイヤのビード部分をリムへ ”ロック” させる機能的なものとなっており、

 まあ-  ビードをそのハンプの山越えをさせてやること = ビードのロックを外す = ビードを落とす と。

 これが正しい解釈かと。

 ビードをドロップまで落とす、、 といった表現をされる方も多いですが、まあそれも結果的にはハンプの山越えが成立しますので間違いではありませんが、ただそれだと上記のような本来の目的が分からないままになってしまいますので、また一度ドロップまで落ちたビードでも、タイヤ全体の反発力により またビードがリムまで戻ってしまい ”ビードが落ち切っていない” 現象なども起こりうりますので、ここでは上記を正確な解釈とさせて頂きます。

 こう考える事により、

 ビード落としの本来の意味合い・目的と その作業の重要性などを再認識して頂けるかと。

 また作業の行き詰まりの解消にもなろうかと。。

 ※ 中途半端に、見よう見真似に、またよく理解しないまま取りあえずタイヤを押してみたりバールでコネってみたりして〜 しかし肝心な ”ロック” 状態からビードが解放されていないので、上手くタイヤが外せない、、 といった初歩的な勘違い解消。

 それからビード落とし作業の最中に、一度はハンプの山越えをしているが、タイヤ全体の反発力により〜 またロック状態のところまでビードが戻ってきてしまっており、(タイヤとホイールのサイズの関係上、一度落としているのに元に戻る事ってけっこう多いです。 それから片面のビード落とし完了後、裏返してのもう片面のビード落とし作業中に 最初の片面のビードが不意に戻ってしまう事も。。) 落としているのになんで上手くいかないの? といった疑問の解消などにも。
 ※ なお動画などで、ビード落としの際に バール(タイヤレバー)を数本かけて比較的容易に作業を行っている絵をたまに見かけますが、ただこれは、レース活動などで比較的タイヤ交換の頻度が高い傾向下における場合によるもので、(タイヤ装着時に塗布した潤滑剤がまだまだ流れず十分効いているので、ビード落としも比較的容易にできる)

 通常、5-6年とか一般的周期での交換の場合、ビード部分に潤滑剤はほぼ残っておらず固着も進んでいますので、こういったバールだけでのビード落としは非常に難関であることは 一応予めご熟知のほどを。(動画ではけっこう簡単にやっているっポイので、ちょっと真似してやってみよう、、 しかしどんなに頑張ってもリム傷が増える一方でビードが落ちる気配すらない〜 と言った場合、おおよそここら辺りが原因かと思われるでしょう)

 それと最後に、冒頭にて 「外す時にも例の ”くぼみ” が重要事項として・・・」 と、そう記しておりますが、

 一応その部分にも触れておこうかな。

 タイヤのビード落としが完了したら〜 次はいよいよホイールからタイヤを取り外して行くわけなんですが、

 タイヤの隙間にバールを差し入れリムの外側まで一気に引っ張り上げる初動。

 この時も、常にホイールに入っているビード部分は ドロップへ食い込ませておくように心がけておきましょう。

 それだけで取外しの難易度が雲泥に変わってくるでしょう。

 /// 注意 ///
 なおこの時、ドロップへの食い込みがきちんとなされていなかった場合、単に取り外し難易度が高くなるだけでなく〜 場合によってはバールでリムを変形させてしまう恐れもあり、(支点となるリムに過大な力がかかってしまい、最悪の場合けっこうひん曲がってしまうことも。。 もちろん必要以上にキズを入れてしまうことにも)

 いずれにしても ”ドロップの有効活用” も重要項目である事には違いないと。

 とまあこんな感じで、タイヤのDIY交換(手組み)のコツ(補足)を取りまとめてみましたが、いかがでしたか。

 以上参考になる部分、お役に立てる部分ありましたら幸いです。

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