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TOP PAGE > ブログ > 個人売買 > 2017年05月27日

事故歴、修復歴発見方法。 リアトランク編

 どうも。 一般財団法人 日本自動車査定協会認定 ”中古自動車査定業務実施店” の車屋さん、かつ中古自動車査定士資格保有の管理人です。

 えー これまでも、本編では総合的な事故車判別方法などについて触れてきておりますが、

 一箇所集中講座的な解説はなかったということで〜

 今回ちょっと、特定部位の査定に特化して、集中講座を特集してみようかな、、 と。

 ちなみに、本来ならば事故歴と修復歴という言葉は使い分けるべきなのですが、ただ当ブログは一般ユーザー向けですので、基本は修復歴一点を指すが 同じ意味で事故歴という言い方も含め表記させて頂いておりますので、(一般ユーザーでは事故歴という言い方の方が一般的によく使われるので) その辺りは予めご了承等のほど願います。
査定車
今回の査定車両

 今回はリアトランク周りの査定編。 (査定車両は上記のトヨタノア。 この車両を使って、修復歴発見に至るまでの順を追って解説して行きますね)

 なお、こういったブログネタは随分とマニアックですので、今回はやや実験的に執筆しております。 もし反響あれば今後シリーズ化していくかもしれませんが。。

先ずは外周チェックから

 通常、査定業務においては スタート地点では情報ほぼゼロです。

 査定前のヒアリングで、オーナーから過去の修理履歴などを引き出し、怪しい部分の目星を付けることも出来ますが〜 (以前、事故などで修理された部分などありますか? みたいな)

 クルマの全てが全てワンオーナーとは限りませんし、あえてこちらの出方を伺うように 知らんぷりされることも多いですから。 (ちょっと覚えてません。 分かりません。 みたいな。 査定ミスしてもらえればラッキーですからね ^^;)

 先ずは外装をぐるりと一周。

 今回テスト車両では意外とボディ状態良好。

 これだ! という決定打は見当たらず。。 

ドアやボンネット等を開けてみる

 続いてはドアなどを開け、表からではチェック出来ない しかし容易にチェックできる部分をチェック。

 んん!? バックドアのヒンジに怪しい箇所発見!!!

リアハッチのヒンジ

 ボルト回りの塗装が割れ、明らかに工具がかかった跡が。。(工具がボルトに食い込み、塗装が削れた跡に錆びもあり)

 おそらく過去、バックドアを一度取り外したことがあるもよう。

 すかさずこの辺り(リアのトランク周り)をより細かく調査することに。

 ちなみにこの時点では修復歴は確定しておりません。 軽い傷程度でドア毎交換しただけかもしれませんし、鈑金とかではなく 他の修理で一時的にドアを取り外しただけかもしれませんし。。

内装の余波らしきモノも確認

 通常ここに余波が見られる事はないが、このクルマはたまたま妥協して修理したのだろうか。(安く修理する目的で、交換する必要なしと踏んで交換しなかったもよう)

内装割れ

 おかげで通常では考えられない内装の割れを発見。(ちょうどトランクルームの収納の蓋を取ったところ)

 おそらく事故の際、後ろから押されてここに力が集中し、割れてしまったと想定。

ドア金具

 ドア金具の周りにも何だか不自然な折れ跡あり。

 だんだんとその怪しさも濃くなってきました。

 ちなみにもちろんこの時点でも修復歴は確定しておりません。 たまたま割れた内装を付けているだけかもしれませんから。

ウェザーストリップを取り、パネルの接合部をチェック

 ウェザーストリップを外し、パネルの接合部もチェックします。 (パネルとは、ドアやボンネット、フェンダー、ピラーやフロア等といった一枚モノのボディパーツの事)

ウェザーストリップ

 むむ! クランプ跡?

クランプ跡?

 これは間違いなくクランプ跡。

クランプ跡確定

 これで間違いなくリア周りを修理していると判断。

 クランプ跡とは? 板金修理でよく使われる工具のひとつ。 パネルとパネルを張り合わせ固定しておいたり、引っ張り出したりする目的として使われるもの。 単にボディを固定するものも。

 但し、ここまで来てもまだ修復歴は確定しません! (修復歴の条件を満たしておりませんので)

 もうちょい修復歴の確定要素に迫って行きます。

 ちなみにトランク周りの修復歴の確定要素は---
 @ トランクフロア(簡単に言えばスペアタイヤ等が収納されている床)に事故が起因すると思われる余波(凹みや波打ち等)がある、もしくは修理歴がある。 A トランクフロアが交換されている。 B トランクフロアのパネル接合部に修理歴等がある。(主にリアエンドパネルとの接合部) C トランクフロアが割れている(亀裂)。 おおまかに言うとこの4つ。

 ※ 但し、これらはあくまで理論上かつ広義での要素です。 現車は時としてグレーなものも多く、また事故を起因しないものや軽微なものであれば除外されたりと、、 明らかなものを除いては実際の判断基準は言葉で表せないほどに難しいことも多く、一応その辺りは重々予め。

 ※ なお上記でクランプ跡が見られている箇所は、構造用語でバックパネル(リアエンドパネル)という箇所。 ちなみにこの部分は修理・交換されていても、それ単体では修復歴にはなりません。 一応念のための補足としてまでに。

 ※ 関連: ⇒ 構造用語は別途こちらを参照

 またこれだけの要素では、もし修復歴有だとしても〜 その修復の度合までは分かりませんから、

 その辺り探究する意味でももうちょいと。。

パネルを直接目視

 ここから先は、修復歴の確定要素となる部分や損傷の度合を直接目で確認することになります。(その修理跡が、修復歴になるか否かの判断。 またその規模等も) ので、

 バックパネルやトランクフロアが直接目視できるように 内装・内張りなどをガンガン剥がしてむき出しに。

内装はがし

 先ずはバックパネル(リアエンドパネル)の内側。(トランクに頭を突っ込んで内側を見る)

リアエンドパネルの塗装跡

 ここら辺りのコーキングは、工場出荷時は塗装後の跡処置。

 つまりコーキングに塗装がのっていない状態が正常なモノ。

 しかしこのクルマは明らかにコーキングの上から塗装が。。(ホワイト色のクルマの場合、ここら辺りのコーキング跡はクリーム色をしているのですが、このクルマのコーキングは真っ白。 よってコーキングの上から塗装されていると判定)

バックパネル パテ跡

 要所にパテ跡なんかも見られます。

 パテ跡 = 鈑金修理でパテを塗り乾燥させ、平に研磨する過程で使うサンドペーパーやサンダー、グラインダー等の研磨用具の研ぎ目が 上塗り塗装後も薄ら残ること。 パテ目とも。 ちなみにこのパテ跡は、普段目に見えない裏手の部分でよく見られるが、(普段はカバーで見えない等そこまで丁寧に仕上げる必要がないので) 稀に仕上げの悪い塗装などだと外面ボディ上でも見られる事も。

 バックパネル修理は確定でしょう。

 但し、コーキングが明らかにはがされたような跡までは無いですし、見られる部分は補修跡のみ。

 交換まではやってないと判断。 (⇒ そこまでド派手な事故ではなかったと思われ。 軽い追突事故によるものかな?)

 またバックパネルは、もし交換していたとしてもそれ単体では修復歴にはなりませんから、確定にはまだもうちょい他の材料が。。

 続きましてはトランクフロア。

 スペアタイヤが収納されていたり、最近のクルマでは収納庫になっている事も多い箇所。

 ちなみにトランクフロアは、修復歴判断に重要な骨格部位。

 もしここに大きな手がかりが見られれば〜 このクルマは即 ”修復歴有り” という判定に。。

 おさらい/// トランク周りの修復歴の確定要素
 @ トランクフロア(簡単に言えばスペアタイヤ等が収納されている床)に事故が起因すると思われる余波(凹みや波打ち等)がある、もしくは修理歴がある。 A トランクフロアが交換されている。 B トランクフロアのパネル接合部に修理歴等がある。(主にリアエンドパネルとの接合部) C トランクフロアが割れている(亀裂)。 おおまかに言うとこの4つ。

 ※ 但し、事故を起因しないものや軽微なものであれば除外される場合あり。 またグレー判断など判定が難しい場合もあり。

 ペロン。

トランクフロア

 んん!?

 先ほど内装割れを発見した辺りに異常発見!!!

トランクフロア 修復歴?

 ちょっと分かり難いかな。。

トランクフロア 修復歴? シワ寄せ?

 どう考えても普通の状態ではないと判断。

 事故の際にこの辺りに力が集中し、その余波で ここにしわ寄せが来たものか?

 しかし!!!

 異常が見られるのはここだけのもよう。

 他には異常がないんですよね。。

 普通、事故った際には、その衝突部分に近いほど損傷が多く見られるもの。

 でもこれ以外にはシワらしいものはないですし、バックパネルとトランクフロアのつなぎ目も正常。(つなぎ目辺りはキレイでコーキングを打ちなおしたような跡もなし)

 何か工具か道具かが当たって凹んだものかな?

 ん〜 正直、この程度ではまだ確定等にはちょっと。。

 なお通常であれば〜 そこそこ大きな事故であったなら既にここで修復歴が確定することが多いです。 しかしこの程度では確定要素としてはかなり低く、その核心を突くべくもう一歩要素を追ってみることに。

 ※ ちなみにその ”もう一歩要素” は、ここで怪しい箇所があってもなくても必ずチェックが欲しいところ。 違う角度から見れば新たな発見に至る事も多いですから。。 (修復歴や損傷規模など色々な意味合いでも) またもちろん既に修復歴が確定していても。。。(その修復の度合をより精査するために)

もう一歩要素/ ラストは下回りからチェック&総合判定

 最後はトランクの下側、リアバンパーの下から潜り込むように トランク周りの裏を見ます。

 見る箇所はトランクフロア、トランクフロアとリアエンドパネル(バックパネル)の接合部、リアサイドメンバー。

事故車の見分け方 プロ編 下からのぞく
画像は他車種のものです。

 凹んでいたり損傷を受け錆びている部分、明らかに塗装されている部分、これまでで気が付かなかったシワや修理部分はないか? 丹念にチェック。

 うーん。

 このクルマは意外にも異常なし。

 というわけで今回の判定は!?

 私的には シロ。

 つまりリア周りに事故をした経歴はあるものの〜 修復歴車にはならず。 修復歴に該当する箇所は発見ならず。

 こんな感じで。

 今回のポイント/// トランクフロアのシワは?

 @ 周りの考察から、事故の衝撃によるものである可能性は低い ⇒ 事故が起因するものでないので修復歴にはならない。

 A 百歩譲って事故の衝撃に起因するものとしても仮定 ⇒ 要素としてはかなり軽微であるため、それでも修復歴になる可能性はかなり低い。

 以上参考などまでに。

 なお、これら総合判定はあくまで私の個人的見解によるものです。

 もちろんいずれにしても事故を起こした過去は確実ですし、増してや要素としてはかなり薄いながらも怪しい部分は完全に否めませんから、

 その点を同じ査定士の資格を持つ人でも、これをグレーゾーンと見て リスクマージンを取るべく ”クロ” と判断する人もいらっしゃるでしょうし、(※ 類似例: ⇒ 苦し紛れの査定例 /私運営管理の買取り査定専門サイトより抜粋)

 またその要素を見て事故によるもの&軽微ではないと捉え、自信を持って ”クロ” と判定される方もいらっしゃるでしょう。

 あくまで参考までに。。
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