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バネ下重量

 バネ下とは・・・、

 サスペンション・タイヤ・ホイール・ブレーキ・アーム類などの車の足廻り以下の可動部分を指し、バネ下重量の軽量化は車両本体軽量化の4〜15倍相当の影響力があると言われています。 つまり、バネ下1kgの軽量化は、車両本体で4〜15kgの軽量化に相当する・・・ という事らしいです。

 ただはっきりとした根拠的数値がないのも事実で、重量の関係による運動性能の影響力を数字に表すのが難しいため人によって色々意見が分かれるようですが、、

 しかしながら少なくとも何かしらの影響は絶対にあると断言は出来るでしょう。

 特に、回転部分の重量の違いによる慣性モーメントの影響は大きいと思います。

慣性モーメント

 慣性モーメントとは何でしょうか?

 例えば・・・ バレーボールの球とボーリングの球を比べてみて下さい。 大きさはほとんど同じですが、重量の差は明らかに違いますよね〜。

 それでは、それぞれのボールを回転させた所を想像してみて下さい。

 バレーボールの球を回転させるのには、軽く少ないエネルギーでも十分回転しますし、軽く小さなエネルギーでも回転を素早く止められます。

 しかし・・・ ボーリングの球をバレーボールの球並に高速回転させようと思えば、かなり大きなエネルギーが必要となり、また一旦加速のついた回転を止めるのにもこれまた大きなエネルギーを必要とします。

 つまり簡単に言うと・・・

 重量による球の回転・止める難易度の量を慣性モーメントと言い、ボーリングの球は慣性モーメントが大きく、バレーボールの球は慣性モーメントが小さい・・・という事です。

 このボールと同じ事は、間違いなく車のタイヤ・ホイールにも言えます。

 バネ下重量であるタイヤとホイールを軽くすれば慣性モーメントが小さくなり、タイヤやホイールを回転させる為の消費エネルギーが抑えられ、また、加速のついたタイヤ・ホイールを止めるためのエネルギーも少なくて済む・・・ という事です。

影響力

 実車の足廻り部分は、サスペンションや各アーム類などかなり複雑な構造となっていますので、慣性モーメントの影響以外も含めるとかなりの影響力が考えられそうです。

 バネ下重量の影響力をイメージしやすく・・・ 車を人間に例えて説明すると、

 着ていた重い革ジャンを脱いでも(ボディの軽量化)、歩く事にはほとんど影響がありませんが、重たい革靴から軽いスニーカーへ履き替えた(バネ下重量・足廻りの軽量化)場合には、明らかにフットワークが軽くなり歩きやすく感じるはずです。

 実際、2足の革靴と重たい革ジャンを比べてみると、明らかに革ジャンの方が重たいはずなんですが・・・

 ・・・という事で、この例えと同じ事は、自動車のバネ下重量にも当てはまるでしょう。 さらに自動車は1トンを超える重量級ですので、軽量化がなかなか体感出来なくても、何処かで必ず大きな作用が働いているはずです。

変化

 実際に、バネ下重量の軽減によって何が変わるのでしょうか?(変わると言われているものも含む)

1.乗り心地が良くなる

 足廻りの路面追従性が良くなるので、ショックアブソーバーやスプリングでの路面凹凸の吸収性が向上し、結果として乗り心地が良くなる傾向になるでしょう。

2.乗り心地が悪くなる

 「さっきまで良うなる言うとったのに、結局どっちやねん!」  てな具合ですが、車重の比較的軽い車種に限っては路面からの情報伝達が多くなり、逆に 「振動」が増えて乗り心地が悪くなる傾向になってしまう恐れも・・・。

3.燃費の向上

 慣性モーメントの低減でエンジンへの負担が減り、消費エネルギーも少なくなる為。(計測誤差と思われる程度かもしれませんが・・・)

4.ハンドリングが軽くなる

 ハンドリングが軽くなる・・・ と言うとやや大げさですが、ハンドル操作の応答性(レスポンス)にはかなり影響してくるかと思います。

5.制動力の向上

 軽量化によって加速時のエネルギー消費が改善されるのであれば、減速すべきエネルギー量も少なくなっているはず・・・。

軽量化

 足廻り(バネ下重量)の軽量化は何をすればよいのでしょうか?

 手っ取り早く一般的なものだと 鉄ホイールをアルミホイールへ交換したり、軽量ホイールナットへの交換かな。

 但し、鉄ホイールからアルミホイールでも、ホイールのインチアップになると逆に重量が大幅に増える事がほとんどですし、(ホイールだけでなく、タイヤも重くなる) 安価な2流ホイールだと同じインチでも鉄ホイールよりも重たい・・・ なんて事も・・・。(ホイールナットなんて極わずかしか軽くなりませんし)

 ちなみに・・・ 同じ車種で 純正鉄ホイール ⇒ 純正アルミホイール への交換は全く意味のない事です。

 新車時の設定関係で、同じ純正の鉄ホイールとアルミホイールではほぼ同じ重量に設定されています。(乗り心地やコンピューター制御などは、車種別に一定の重量を基準に開発されているので、同じ純正設定のホイールで重量の差を出すような事は行われていません。  またディーラーオプションで車検証上の車両重量が変わらないように・・・という配慮もあります)

デメリット

 バネ下重量の軽減は良い事ばかりのようですが、デメリットは無いのでしょうか?

 乗り心地が悪くなってしまうパターンの可能性以外では、一般的な自動車の使用であれば特にデメリットは考えられないでしょう。

 まあ強いて言っておくなら〜

 特殊軽量ホイールだと確実に強度が落ちますので、段差乗り上げなどでホイールが変形しやすくなる。。 あと路面の追従性が良くなる事によって、多少ロードノイズも増えるかもしれません。。


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