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仮ナンバーの借り方、手配の仕方、それから使用方法まで
街中などで、赤い斜線の入った特殊なナンバープレートを見たことありませんか?
それが 「自動車臨時運行許可番号標」と呼ばれる特殊ナンバー。
臨時ナンバー、仮ナンバー(借りナンバー)、りんばん ・・・等とも呼ばれ、主にナンバープレートの付いていない車両や、車検の満了期限が過ぎている(車検切れ)車を運行する時に使われるナンバープレートです。(一時期ニュースで話題になった神ナンバーもこのプレートの俗称です)
※ ナンバープレートの付いてない車両、及び車検切れの車両で、使用許可期間内の臨時運行許可番号標無く公道を走らせる事は違法行為となります。
で、このナンバー。
きちんとした使い道があれば、誰でも借りる事は出来ます。
「ユーザー車検を受けたいのだが、既に車検が切れていて公道を走らせる事が出来ない」 「ナンバープレートの無い車を譲り受け、名義変更したい」 「個人売買で、遠隔地に住む人に車を販売しに行きたいのだが、車検が切れている」 ・・・といった使い道が一般的。
ちなみに、きちんとした必要な理由があればこれら以外でも柔軟に貸し出してくれる事も。(若干の地域差はあり。 また事由によっては証拠の提示が必要な場合も)
最寄の市区町村区役所。
取扱いの窓口は 「市民課(住民課)」が一般的。
なお申請の受付は、実際にプレートを使用される当日、もしくは前日からとなりますので、(役所が休みの場合には直近の開庁日) 早めから事前に出向いても 貸出どころか受付もしてくれませんので、その辺りスケジュールにはご注意を。
※ 但し、この辺り規定には法的根拠は一切ないそうで、原則ローカル・ルールによります。 なので地域によっては、また理由によっては数日前から貸出してくれる場合もあるようで、もしある程度事前からの段取りが必要と思われる場合には、個別にご相談などされてみてはいかがでしょうか。
注意 ///
仮ナンバーは原則、使用用途(使用者、目的、経路、日数等)を事前に申告しそれに基づき特別に運用を許可されるものです。 なので申請し許可を受けた者、車両、使用期間、目的、運行経路以外には使えません。(複数のクルマで使い回ししたり、許可を受けている以外の場所へ行ったり、許可を受けていない目的で使ったり、、 こういった事等は一切出来ません)
また一回の利用にあたっては、(一回の借用毎) ひとつの目的、かつ一度・一台の運行(運用)で ひとつの許可となりますので、2つ以上の運行目的で借りようとする場合には、それぞれで別々に借りなければなりません。 但し、一台につき当初の目的に関連し複数の目的地が有るなどする場合には、(車検を受けて買主に受け渡す等) そういった場合にはけっこう融通は利かせてくれるはずですので、まあ2台用途とか、またよほど異なる複数の目的用途でなければ申請却下されるということはないでしょう。 (ちなみに一度に2枚以上借りることは出来ないようです)
最低限、借りようと思う期間中、(許可を申請する運行期間) 仮ナンバーを付けようとするクルマが有効な自賠責保険、もしくは自賠責共済へ加入している事が必須です。
例えば1月1日から1月5日まで借りようと思った場合、(運行期間)
この期間を丸々カバー出来ている有効期間内(保険期間内)の自賠責が必要ということ。
※ なおここで必要となる自賠責は、仮ナンバーを付けようとするクルマが被保険自動車となっているものであれば、(保険証明書に記載される車台番号が一致しているもの) かつもちろん保険期間内のものであれば、保険契約者の名前や登録番号等(ナンバープレート番号)が全くの他人や現在のものでなくとも全く問題ありません。
つまり既に車検が切れていても、手持ちの自賠責保険の保険期間さえ切れていなければ使えますし、個人売買などで前オーナーから引き継いでいる自賠責でも問題なく使えます。
※ それから有効期間は、新旧期間のものの組み合わせでも問題ありません。(古い保険期間が1月3日だとしても、その1月3日からまた別の新しい保険があればそれら合算も有効)
ちなみに既に手持ちに有効な自賠責をお持ちでない場合には?
この場合は新たに加入するしかありません。
但し、単純に新規加入といっても、、 当該保険(共済)は最低1ヶ月単位でしか契約出来ませんし、また一ヶ月だけの保険料はかなり割高。(5,000〜6,000円ほど。 平成27年当時の24ヵ月の自賠責保険が27,480円/普通車 ですから、その割高さはかなりのものかと。。)
なのでその仮ナンバーの用途がユーザー車検とか 名義変更で新しいナンバー取得、、 といったものであれば、
その時に必要となる自賠責保険の保険期間分に 仮ナンバーに必要分を合算し、追加加入、もしくは便乗加入(便乗運用)するのが基本的と考えておきましょう。
OKパターン その1
ちなみに平成29年4月現在、普通車も軽自動車も、25か月と24ヵ月の保険料差は800円くらい。 つまりこの場合の実質1ヶ月分の保険料は800円くらいになる。(→ なので、車検などで必要となる保険に追加・便乗して加入するのが基本的と。。)
※ なお、仮ナンバーを借りた当日に車検合格し、(運行期間5日で借りていても) 新たな車検期間が2年延長された場合、その当日含めると必要な保険期間は24ヵ月分で済むことになるが、ただこれはあくまで結果オーライ的な考えであり もし当日合格を見越してあえて24ヵ月で加入し、しかし車検不具合で翌日手直しがあった場合や 予期せぬ書類不備等で車検証交付手続きが翌日にずれ込むなどした場合には、この時点で既に保険期間不足に陥り、追加で高額な保険加入が強いられてしまうことになりますので、保険期間の選定はこういった最良のパフォーマンスでなく、常に不測の事態に備えたマージンを取った考察で。
なおこれは ↓ 手持ちに既存の保険がある場合の典型的例。(この場合は既存の自賠責保険で事が済むので、仮ナンバーのためだけに保険へ入る必要はありません)
ちょっとややこしいですね。。
ちなみにこういった自賠責保険加入技については〜 保険屋さんより車屋さんの方がかなり詳しいですので、なかなか分かり難い場合やパターン別などでの相談が必要な場合には、身近なクルマ屋さんへたずねてみてはいかがでしょうか。(行政書士の方も詳しいですが、こちらはちょっと敷居が高いですので。。)
@ 有効な自賠責証明書
これは先ほど解説した通りのものが必要。
ちなみに自賠責の契約書面には証明書と領収書などに分かれている場合もあるが、この場合必要となるのは証明書側で、領収書側は加入の証明になりませんので要注意。
A 身分証明書 (運転免許証とか)
もちろん許可を受ける者(本人)の。
B 認印 (申請者(借りる本人のもの))
ちなみに地域によっては不要な場合も御座いますが、(少なくとも当社近辺の役所では必要ありません) ただまあこういった公的証書等のお手続きには印鑑は持参しておくのが理想であるため、いずれにしても必要か否かに関わらず持参しておくのがベスト。
C 手数料
だいたい750円という地域が多いかな。(非課税)
D 使用する車両の車検証 (自動車検査証)
基本的には原則コピー不可なんですが、ただ近年のネット個人売買の増加などによりコピーでも許容する自治体も多く増えて来ておりますので、(都道府県外へ落札車を取りに行くにあたって、引取り時に車検証等一式も、、 というパターンは多いですからね) コピーしか準備できそうもない時は一応事前相談などはしておきましょう。
なお既にナンバープレートの無い車両の場合には、基本的には車検証は存在しておりませんが、ただその場合にはその車検証に似た ”登録識別情報等通知書” や ”自動車検査証返納証明書(軽)” 等があると思いますので、そういったケースではそれらを車検証の代わりとしてお持ちください。
E 自動車臨時運行許可申請書
これは申請先(各役所)に置いてあります。 申請時にはこの申請書を記入し 他の必要書類などと一緒に提出します。
ちなみにここで挙げた必要書類などは基本的なもののみです。 借りる理由によってはここに挙げる以外のものが必要な場合もありますので、一応その辺りは予め。。
F 理由、目的
使用する理由、目的、予定(日程)、運行経路(何処から何処まで運行するのか) 等。
ちなみにここで一番重要なのは理由(目的)。 車検、販売、名義変更等、、 車検や登録事由(運輸支局や軽自動車検査協会の業務)に繋がる目的が原則的であって、それらに繋がらない用途では基本的には認められません。(例えば、ただ車検切れのクルマを移動させるだけとか、整備不良車や競技車両の移動とか)
ナンバーを借りられる期間は、(使用期間・運用期間・日程)
一回の借用につき最大5日間が限度です。(過去には理由次第では1週間以上も借りれていた時代もありましたが、現在ではきっちり5日間で厳しく管理されています。おそらく法改正があったと思われます)
但し! これは許可されるMAX値であるため、申請内容によってはもっと短く区切られる場合も。
申請時には、申請書へ期間は自分の思うように記入してもいいですが、ただ窓口職員が申請内容をチェックした際に、使用用途から考えどう考えても使用期間が長すぎると判断された場合には、、 担当職員の見解や役所のローカル・ルール等によって必要最小限と思われる日数に訂正・修正され、それを限度にした貸出ししか受付けてくれません。(その日程でないと許可されない)
この辺りは予め十分ご注意を。
※ ちなみにこの辺りの日数限度は、地域によってかなり差があるようです。
なお使用許可の有効期限が切れましたら、5日以内に申請先へ返却必須です。(プレートと許可証の2点。許可証については後述)
忘れないように。(ちなみにこの返却期限は、許可された有効期間とは別になりますので、一応予め。。)
もし期限内に返却できなかった場合には?
6カ月以下の懲役、または30万円以下の罰金に処されることがあるということですが、(自治体論) 実際には何度か催促の連絡が入り、それでもなお返却されない場合には 警察署へ盗難被害届が出されるのが一般的のようです。(私ではないですが、実際にあった話より。。)
仮ナンバーを借りた時に、同時に ”臨時運行許可証” というものも発行され、使用時はその許可証とナンバープレートとをセットで使用する感じだとお考えください。
許可証は外から有効期間が見えるようにダッシュボードなど見やすい位置へ。
許可証の裏側です。
仮ナンバーはナンバープレート取付位置へ。
ちなみに一般的に、借りるナンバープレートには取付ネジは付属しませんので、既にプレートの無い車両では取付け時には別途ネジのご用意を。(車屋をやっていると無尽蔵に取付ネジが転がっているので、ひょっとしたら間違っているかもしれませんが、ネジサイズ規格は確かM6×15くらいだったと思われます。 輸入車の一部はかなり短めのモノが必要なケースも)
これでOKです。
正規のナンバープレートが付いている場合には、そのプレートを取り外し交換取付。 封印が付いている場合には、(普通車のリアプレート左ネジ部位の蓋) 今後もそのナンバーを継続して使う予定でなければ、(ナンバー変更含む名義変更等) その封印は取り外して交換取付されるのが一般的。(車検が切れている時点で既に正規プレートの使用期限も切れておりますので、また仮ナンバー運用前提ならば封印は解かれていても問題はありません)
※ ⇒ 封印の取り外し方についてはこちらを。
※ 手慣れた業者さんとかが よくダッシュボードに仮ナンバーを置いて走行していることもありますが、これは厳密に言えば道路運送車両法違反です。(法律名は違ってたかもしれません ;) 絶対に真似しないように。
※ 封印を生かしたまま取り付けされる場合には、プレート右側のネジ一本のみで取り付けすることになりますので、外れないように厳重に取り付けを。
仮ナンバーは、ここで言うプレート以外にも、、 業者用のいわゆる赤枠プレートというものもあります。
こんなん。
正式には ”回送運行許可番号標”。 (というか呼び方自体はリンバンという言い方が一般的ですが)
但し、このプレートは一般ユーザーが借りることは不可能ですので、
まあ一応予備知識程度までに。。
尚、このプレートは、おおよそは一般向けの仮ナンバーに近い特性を持っておりますが、ただこのプレートでないと出来ない事がある一方で、このプレートでは出来ない事もあり、例えば販売目的の試乗なんかがそうかな。。(顧客を載せての試乗運行等)
つまりこのプレートを付けての試乗行為は一切許可されておりません。
ん? でも、稀にこのプレートを取り付けて試乗運転をすすめてくる車屋さんっていません??
確かに、一部いらっしゃるようです。 しかしそれはもちろん違法行為。。(ナンバー無しや車検切れの状態で走行しているのと変わりないですから)
一応これも関連知識としてまでに。
※ という事は? もしこういった業者さんに出くわしたなら、、 まあそのお店では買われないのが得策かな。 といった考え方も出来るでしょう。 事は違法行為。 そんな行為を躊躇せず大ぴらにやっているお店って。。 (ちなみにそういったクルマが事故など起こしてしまった場合には、後は想像を絶するほどとんでも無い事になってしまうのは火を見るより明らか。。 また少なくとも、その迷惑はお客様にも及んでしまう可能性も。 いずれにしてもいろんな意味でもご注意を)
とまあ以上こんな感じで、仮ナンバーについてのアレコレでした m(_ _)m