雑誌や中古車販売店でたまに見かける「車検2年付き」。 一見かなりのお得物件だと思ってしまいますが、本当にお得なんでしょうか・・・?【2007年8月・更新。 2014年1月・一部追記】
中古車販売店のプライスボードをチェックしていると、「車検なし」「車検受渡し」「車検2年付」・・・など、車検に関する表記が色々ある事に気付くかもしれません。 これらの表記は、現状での車両状態の検査期限を表しています。 つまり、「車検なし」は車検が切れている状態で、乗り出しには車検費用が別途で必要という事が分かります。
ここからが本題です。
「車検2年付」という表記は、「車検が丸々2年付いてくるのでかなりお得な物件!」・・・ と思っている人も多いかと思いますが、実際には車検受けに必要な全ての費用が無料サービスされるわけではありません。 「車検2年付」に含まれる費用は、車検に関する検査費用や点検整備費用などのみで、税金類や自賠責保険は別途必要になります。
※ これら税金類などを法定費用と呼びます。
※ なおそれら含まれる費用は、予め車両本体価格へ含まれているとお考え下さい。
自動車販売店が、無料サービス特典などで使用者に代わって納税する事は違法ですので(税金はサービス出来ない)、購入者に納税義務のある税金までは販売店は負担しないのが当然です。
つまり・・・、「車検2年付」でお得になるのは車検に関する検査・整備費用のみで、車検に付随する納税や自賠責保険の加入は別途必要・・・という事です。
なお、お店によっては 「法定24ヶ月点検 (法定整備)の費用は別途」という事もあるかもしれませんので、注文書に整備費用が入っている場合には色々と聞いてみましょう
(車検と法定24ヶ月点検は全くの別物ですから、車検のみで法定点検は行わない業者もいますから・・・ 【参考までに ⇒ 「定期点検・法定点検について」】)
※ ただ基本的には、それら車検2年付には これら法定点検も含みであるとお考え下さい。
※ 関連ブログ記事 ⇒ 購入時の不正な車検受け販売にご注意!
「車検なし」の車を、車検を受けて販売する時によく用いられる言葉ですが、プライスボードに「車検受渡し」と表示されている場合には、「車検2年付」と全く同じ意味になります。 (プライスボードや中古車雑誌に「車検受渡し」と表記されていれば、車両本体の表示価格に車検費用が含まれている事になります)
ただ 「車検受渡し」という表記は誤解を生みやすい表現です。
販売店が間違って理解している事もあるようで、プライスボードに 「車検受渡し」と書いているのに、見積書や注文書には ちゃっかり検査費用等が含まれている「不適切」な応対もあるようです。
ちなみに自動車公正取引協議会の判断では、車両本体価格に車検費用を含まない場合には、全て 「車検なし」と表示するのが正しいという事です。 もし上記のような不適切な表現があった場合には、公正取引を意識していない販売店・・・という見方で、ひとつの販売店の判断方法にもなるでしょう。
ここ近年におきましては、以前の ”車検2年付・車検受渡し” といった表現に代わり、”車検整備付” という表現が主流 (基準・標準)になりつつあると言っていいでしょう。
そもそも車種によっては車検1年付となろう場合があったり、またその表現から あたかも車検に関する費用が丸々付いているとも取れる錯覚性などまで考えられ、、、 まあいわゆるそういった理由などによってか? それら表現は ここ最近では ”車検整備付” と。
折角なので、ついでに余談話を・・・。
これまで 「車検2年付」では検査・整備費用がお得と書きましたが、しかし実際には 「車検2年付」のお得度はそれほど高くないのが現状です ^^ (もちろん車検受渡し、及び車検整備付も同様に)
何故なら! まあプライスには 「車検2年付」と書いていても、実際には車検に必要な費用は車両価格に予めプラスされている場合がほとんど。 (必要な想定車検費用分は、予め原価へ上乗せするなどして〜 得るべき利益はちゃっかりと確保されておりますので)
なのでそもそも 「車検2年付」という表現は、少しでもお得な物件と見せかける為の販売戦略でしかなく、実際購入されるお客様自身には 勘定的な ”オトク” はほぼ皆無と、そう考えておきましょう〜。