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個人売買では現状渡しは絶対なの?

 特にヤフオク個人売買では〜 お決まりのように ”現状渡し” ”ノークレーム・ノーリターン” という言葉が行き交っておりますが、

 ちなみに、こういったもはや暗黙の了解的となっている当該慣行。 本当に絶対なの?

合意あればそれは十分成り立つ

 出品者がそれに同意をもとめ、かつそれを前提に落札された場合には、、 それが契約の意志と見なされ、それは十分成り立ちます。

 つまり現状渡しが遂行・優先されるということ。

例外-- 瑕疵責任

 ただいくら現状渡しでも〜

 ”自動車として” や契約上、重大な瑕疵と思われる部分についてまでは ”現状渡し” は通用しません。

 例えば前進するが〜 後退が出来ない状態であるとか、5分もすればエンジンストールし動かなくなるとか。。 いきなりブレーキが効かなくなるとかもそうですね。(自動車としての本来の機能が果たせていない)

 但し、これも契約条件などに ”瑕疵責任は負いません” という取決めなどがあり、かつその瑕疵を知っていなかった場合のみではそれは十分有効なものとして認められますので、(民法第572条)

 この辺りも一応予め。(その場合では瑕疵責任ですらまぬがれる事が可能)

 ちなみに相手が事業者である場合には、この場合には ”瑕疵責任は負いません” という契約は明らかに買主にとって不利な条件であることから、(売主は一方的に利益を挙げており、また対象物の知識差も明らかですから) それに関しましては無効とされ、契約上いかに条項あっても瑕疵責任を負う義務は御座いますので、(消費者契約法 第八条1項の5より)

 こういった場合には(売主が事業者)最低限 瑕疵のみは保証されるべきと考えてもよろしいでしょう。

例外2-- 消費者契約法

 なお先ほど、事業者の瑕疵責任免除の無効について触れましたが、

 根拠となる消費者契約法には、その他守られるべき権利も多く御座いますので、、

 一応加え参考までに。

 ちなみにこれら消費者契約法は、あくまで事業者と消費者の間での法規です。

 なので個人売買前提ではおおよそ適用されないことも多いかと思われますので、

 一応この辺りは予め。

債務不履行

 それと民法の延長上で、第415条に債務不履行(さいむふりこう)による損害賠償 という条文があり、

 つまり約束が守られないていない場合には、それも別途通用しないという事。

 話が違うとか。

 これもまた参考までに。

注意事項

 ところでこれまで、現状渡し(ノークレーム・ノーリターン)という慣行と その効力範囲について色々と触れてきましたが、

 最後に、これだけは言っておきましょうか。。

 こう法律の効力がうんぬんと言っても、現実的かつ最終的な判断はほぼ売主の考え次第であるという事。

 つまり、いくらこういった法律に反すると見られていて、かつ買主の方が 「賠償しろ!」 「白紙撤回だ!」 とか言ってみたところで〜

 それに売主が納得せず対応放棄したとしても、

 それ以上は係争(法廷などで争う)する他 解決の糸口はないという

 先ずいずれの根底にも民法という前提があるので、警察などの第三者機関は一切介入出来ず、つまり当事者同士での話合いでしか解決の術はない。 なのでどちらか一方が納得できない場合には、それ以上は法廷で争うしか方法はないということ。

 ということは、

 費用的にも手間的にも時間的にも多く浪費してしまう裁判までとなると、通常そこまでは早々出来るものではありませんので、

 まあ現実的かつ最終的な判断はほぼ売主の考え次第であると。

 ちなみに相手が事業者であれば〜 (但しブローカーは基本的に除きます) それに至るまでにある程度の相談先もありますので、そういった場合のみはやや事情が異なってくるまもしれませんが。。
 なお、係争に至っても結果は思い通りとも限らない事も予め。 相手にも保護する法律がありますし、何よりトラブルの状況・環境は千差万別。 どの法律がどのようにどこまで適用されるか、、 また双方の意見をくみとり合理的な合意点は何処になるか等 法廷での結果はひとつではありません。(場合によってはこちらの訴えが全て棄却される可能性だって) この辺りにもご留意のほどを。

 それと 騙された〜 と、そう詐欺の方向で訴えられる方やパターンもあろうかと思われますが、ただ明らかに大きな事件的なモノでない限り〜 詐欺での立証は係争をするよりさらに困難ないばらの道。 早々そういった方向からの解決はまず考えられない方がいいでしょう。

 一応お含みおきのほどを。


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