現状販売(現状渡し)とは・・・
中古車を破格値・格安・激安で販売する代わりに、「整備点検なし、現状のままでお渡しします」 「保証なし」 「納車後のクレームは一切お受けできません!」 ・・・といった、いわゆる 「ノークレーム」 「ノーフォロー」 を条件に、中古車を低価格で提供する販売方法。
「とにかく安くしているのだから、クレームは無しよ!」 てな条件が、お決まり文句です ^^
比較的小規模で、プレハブを事務所とするような 薄利多売形式の中古車屋でよく見られますね ^^
ところで!
もし! 現状販売で購入した中古車が納車直後に故障してしまい、どうにもこうにも乗れないような状態になってしまったらどうなるのでしょうか・・・
やはり、ノークレームなので手直ししてもらえないのでしょうか・・・ 修理にお金がかかるのでしょうか・・・
率直に申しますと、
車が本来持つべき機能が満たされない状態であれば、いくら現状販売・現状渡しの契約であっても、、 売主である事業者は、購入した消費者に対して車が持つべき本来の機能を補償しなければなりません。 また、売主が
「補償」に応じない場合には、買主は契約の解除(キャンセル)、又は損害賠償の請求が出来るものとなっています。
これを 「瑕疵担保責任」と言います。(民法第570条)
売買契約によって購入した商品に本来あるべき当然の機能の不備や欠陥があり、商品本来の機能が果せない状態にある場合には・・・
売主は、機能の改善を行う義務・責任があり、それでもなお機能が改善されない場合には、契約の解除(キャンセル)等に応じなければならない ・・・というもの。(売主が買主の要求に対応しない場合には、買主は損害賠償を求める事も出来ます)
簡単に言うと、購入した商品に致命的な欠陥があった場合に売主が負う責任の事。
ちなみに 「瑕疵」とは、欠陥、欠点、・・・といった意味があります。 参考までに ^^
いくら現状販売、現状渡しだからと言っても、、
車が本来持つべき機能・性能に欠点や欠陥があった場合には、売主である事業者は、買主に対して相応の対応をしなければならない という事ですね〜 ^^ (機能や性能の改善・修繕に応じ、それでもなお改善されない時には、契約の解除に応じるなど・・・)
もちろん! 売主も見逃していたり、知らなかった欠点や欠陥に対しても 売主は責任を負う義務がありますので、
「仕入先が欠陥を隠して誤魔化していたようだ ・・・だから当店には責任がない。」 「下取りする前までは、そんな不具合はなかった!」 「納車前に点検した時には、全く異常はなかった!」 ・・・といった
「言い逃れ(責任転換)」や 「言い訳」は一切出来ません。
いくら 「現状販売」、「現状渡し」と言っても、
事業者である販売店は、個人消費者に対して最低限の補償はしなければならない! という事ですね〜 \(^o^)ノ
なおこれまで、瑕疵責任の存在について触れさせて頂きましたが、、
じゃあ、「車が本体持つべき機能・性能」とはどの範囲までを言うのでしょうか・・・
まあ一般的な考え方では、自動車に関しましては、、 車に備わるべき 「走る」、「止まる」という基本中の基本の機能の事を指す事が多いようで、(ちなみに瑕疵責任は、何もクルマに限ったことではありません)
「納車直後に車が動かなくなった」 「明らかに危険な状態で、車を走らせる事が出来ない」 (消費者ユーザー自身に過失のある場合は除く)
・・・といったようなケースが、一般的に 「車が本来持つべき機能・性能に欠陥や欠点がある」 と言えるでしょう。
ちなみに 「エアコンが効かない」 「オーディオが鳴らない」 「パワーウインドウが動かない」 ・・・といったようなケースは 「車が本来持つべき機能・性能の欠陥や欠点」 とは考え難く、また、中古車ではそもそも考えられる故障でもありますので、(あって不思議ではない) 瑕疵担保責任の対象とは言えないでしょう。
参考までに ^^
自動車は複雑な構造や機能・性能を持つ商品なので、契約締結の条件や状況等によっては 瑕疵担保責任の範囲・条件がそれぞれ異なる場合もあります。
中古車は、経年している 「中古」という特徴柄、ある程度予測されるような 「瑕疵」に対しては、原則として責任を問う事は出来ません。
また、極めて低価格で販売されている中古車の場合には、買主側もある程度の 「リスク(出費など)」を了承して購入しているものと見なされますので、よほど危険、かつ大きく重要な
「瑕疵」でない限り、売主に責任を問う事は出来ないでしょう。
根拠はいずれも一方的、かつ法律です。 実際の現実に則した判断材料ではありません。 なのでいずれも ”可能性” であることは重々お含みおき願います。(特定の法律を理由に係争しても、相手を保守するための法律も存在しますし、また色々な状況によっては根拠となる法律も変動する可能性もあり、必ずしもこちらの思惑通りになるとは限らない ということは重々予め)
なお、ここで言う責任うんぬん、、 というのは、あくまで ”民法” が前提となっております。 ゆえ現実的には ”民法である限界” も存在しており、その辺りも予めお含みおき等のほどを。。