電子システムが内蔵された特殊キーと車両が持つ「IDコード」を送受信・照合し、互いの「ID」が一致すればエンジン始動が可能となる「イモビライザー」も万全ではありません。
特に、自動車メーカーにてオプション設定・標準装備されている純正イモビライザーは、対プロの盗難防止装置としてはかなり欠点が多いのが事実なのです。 (ただ欠点が多いとは言っても〜 通常考えうるセキュリティレベルとしては非常に高いことには違いありません。 プロはプロでも かなりの手練れ的技術一派に対しては欠点がある、、 という程度でお考え頂いていた方がいいかな。。)
何故、欠点が多いのか・・・
それは「メーカー純正」だからです。
自動車メーカーから生産される車両は、装備品や付属品に至るまで(生産時のオプション類)全て同じ設計で生産されています。
つまり・・・
イモビライザー装置の電子キー「ID」こそ違いますが、車種が同じであれば、(おそらく車種よりももっと定義は狭く、同年代ならメーカーが同じでも) イモビライザー装置の設計は全て同じ・・・という事なんです。(使われているCPUやパーツ、回路、技術なども同様に)
もし特定の車種で、配線加工など機械的なイモビライザー破りの手口が発見されると、同じ車種全てに通用してしまう可能性が・・・。(電子的な弱点なんかも)
実際に、イモビライザーが標準装備されている車種が盗難に遭っている事実もありますし、某ニュースによれば、「電子キーの暗号解読」など、イモビライザー破りの手口がある・・・という事も明らかになっているようです。(いわゆるイモビカッターと呼ばれるものですね。 ちなみにイモビカッターにはダイハツやトヨタ用など ”メーカー別” に機種があるそうで、おそらくこの辺りのセキュリティホールも純正由来かと思われます)
盗難率の多いユーザーの方は、特に十分ご注意などくださいね。
あ、そうそう 一つ言い忘れましたが、
先述のイモビカッター。 これって実は、元々はイモビライザーの電子キー解除のフォロー技術(裏技)が悪用流出した副産物だそうですよ。
各自動車メーカーは、こういった機器のトラブルや故障に備え、予め電子キーを無効化したり解除したりして応急処置を可能とするフォローシステムがあったり、(誤作動でエンジンがかからなくなったり、あるいはドアそのものが開かなくなってしまったなら〜 それに対応できる応急技術は必須と言えますから) また書き換え等する予備的技術もあったり、
つまり最初からイモビライザーを制御できるよう開発されておりますので、
そうとなれば情報流出してしまったなら元も子も・・・
また情報流出しなくとも、そういった裏技がそもそも存在しているならば〜 世界の何処かには解読してしまう頭脳派が居ても決しておかしくはない話で・・・
まあいずれにしても純正イモビライザーには 純正ゆえのセキュリティホールは多くあると言う事で。
遭ってからでは遅い! 何も戻らない! 被害に遭う前に、誰でも出来るカーセキュリティ入門