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手付金、内金、申込金の違い

 手付金や申込金、内金といった一部金・一時金の授受は、自動車購入の契約時に買主側の購入の意思を示してもらう目的で授受される金銭です。

 注意事項 ///
 なおここで触れております記事は、一応 ”身近な弁護士の相談や指摘のもと” による情報ではありますが、ただ法律の見解は弁護士間で分かれることも多く、またその他、第三の影響によって細かく判断が異なってくる可能性も御座いますので、こちらあくまで参考程度としてまでにご閲覧頂けましたら幸いです。

 ※ それとここでの見解は、自動車購入前提での話です。 その他異なる取引きにおいてはこれらと同等の見解が当てはまるとは限りませんので、その辺りも予めご留意願います。

風習と支払い義務

 何故このような風習があるのかと言いますと・・・

 「購入契約の成立・不成立」編で説明させて頂いたように、契約書(注文書)の取り交しだけではその場で契約が成立しませんので、販売店側(売主側)が ”キャンセル防止策(保険)” として一部金を請求しているからなんですね〜 ^^)ノ

 「購入の意思表示」とは上手く言ったもので、自動車は金額的にも大きなお買物ですから、帰宅後、冷静になって考えてみると 「やっぱり・・・」 という事もありますし、「他店にもっと良い在庫があった・・・」という事も多々ありますので、イザ! という時のキャンセル防止 & 回避策として、手付金などの一部金を契約時に回収しているのが現実なんです。

 ポイント ///
 大げさに言えば、契約時に授受される金銭は お店の一方的な都合と思ってもらってもいいかもしれません。

 しかし!

 実は契約時に支払うこういった金銭は任意です。

 支払いを求められたからと言って絶対に支払わなければいけない物ではありません。 もちろん支払う義務もありません。 支払いたくなければ支払わなくても問題ありません。

 ・・・という事なので、

 実際に支払うか否かは、個々の環境・状況によって各々個別に熟考の上でご対応・ご判断を。

 ※ こういった金銭は、特性上〜 支払うことによって営業マンやお店を ”安心・信頼” させる最も効果的な要素です。 なのでもし購入意思が固いのであれば、要求に応じ取り交わしをされてもいいですし、また契約が不成立の状態では、逆にお店にキャンセルされる可能性もあるということ。 もし絶対に話が流れて欲しくないようなラッキーな掘り出し物と思えば、、 言われなくともこちらから ”入金” を申し出するのも十分にアリと言えるでしょう。 (⇒ この辺り補足など
 ※ なおこういった金銭は、契約遂行後(契約の履行の着手後)最終的には ”車両代の一部” として取り扱われます。 念のため参考までに。

 あ、ところでこれまで〜 その金銭授受に関する風習などについて触れてみましたが、

 但し、同じような授受でも、、 但し書き(内訳)によって多少見解や事情が異なってくる場合も御座います。(いわゆる ”手付金” ”内金” ”申込金” 等、領収書の但し書きに書くアレ) またそれぞれの内訳にはきちんとした意味や法的根拠も異なってくるようで。。

 なので追ってこれらにも触れておきましょうか。(というより こちらが本題なんですけどね ^^)

手付金

 主に、購入意思を表す目的で支払われる金銭内訳の事を言います。 よって契約書(注文書)のやり取りが無くても、手付金の授受があれば契約は成立します。

 しかし!

 手付金は最終的に車両代金の一部として取扱われるが、法的には解約・撤回する権利を有する 「解約手付金」としての意味合いがあり、支払っている手付金を諦めさえすれば、買主の一方的な都合でも契約をキャンセルする事が出来るものとされています。(この場合、手付金がキャンセル料として扱われる)

 但し! その契約が既に他の要因にて ”成立” となっている場合には、これら一方的な都合にてのキャンセルはできないと思われます。

 これら手付金を諦めてのキャンセルが有効なのは、あくまで購入の意志を ”注文書” などにて表し、その注文が ”正式に契約成立(例えば整備に着手するとか名義変更がなされるなど。いわゆる契約内容の履行の着手)” するまでの間のみの話だと考えられますので、これら勘違いのないように。

 ※ 一旦でも契約が完全成立してしまっては、売主の合意なきキャンセルは出来ません。(根拠:民法557条第1項より)

 つまり・・・ 契約後、やっぱり気が変わってキャンセルしたい場合には、契約時に支払っている手付金を損金として諦める事により、解約の理由を問わず 買主は自由に契約をキャンセルする事は出来るというわけ。

 ちなみにこの場合、手付金の損金によって契約をキャンセルする事が出来るのは買主だけではありません。 売主である販売店も、契約締結時に支払われた手付金の特定倍数(具体的には買主の支払っている額の2倍。つまり買主の手付1倍分と売主キャンセル分の1倍分を合わせ2倍) の金銭を買主に支払えば、販売店も自由に契約をキャンセルする事が出来るんですね〜 ^^

 一応参考までに。

内金

 手付金と同じように、こちらも購入意思を表す目的で支払われる金銭内訳の事を言い、もちろん契約書(注文書)のやり取りが無くても、内金の授受があれば契約は成立します。

 ただこちらは〜 手付けのように迂回路はなく、

 まあ具体的に言うならば、、 内金は車両代金等の商品代金の一部としての金銭であって、その他それ以外の意味は一切持ちません。 つまりこちらは手付金のような 「解約・撤回の権利」は全く持たない金銭であり、支払った時点で既に買主の一方的な都合だけでは契約をキャンセルする事が出来なくなっており、、

 契約時に支払っている内金を諦めても、一方的にキャンセルは出来ないものとされております。 簡単に言えば、内金を支払った時点でその自動車購入の代金の一部を払ったとして〜 買主が契約の履行の着手をしたとみなされており = つまり契約の完全成立、 と。

 もしそれでもどうしてもキャンセルが致し方ないのであれば、

 それ以上はキャンセル料の支払い等で、双方合意の下でないとキャンセル出来ないものと思われてください。(なおこの時、支払っている内金は、、 キャンセル料に充当される事あっても、返金されることもありません)

 ちなみにもちろんこの見解も、買主だけでなく 売主に対しても同じことが言えるでしょう。

申込金

 これも購入意思を表す目的で支払われる金銭内訳なのですが、、

 なんと! これは唯一、この金銭授受だけでは契約は成立しません。(よってキャンセルも自由)

 何で?

 申込金は 「契約の予約」という意味の金銭でありまして。。

 つまりこれでは(予約では)契約は成立しませんよね ^^;

 ちなみにもしキャンセルまで至った場合には、これも唯一 支払っていた申込金も全額返金されるのが原則となっております。

 但しこの場合も ”手付金” と同様に、その予約(購入意思)が正式、かつ完全な契約成立へと移行した以降は(契約の履行の着手後)、、 売主の合意なき一方的なキャンセルは出来なくなりますので、これら予めご留意願います。 また勘違いされませんように。

 申込金は、契約締結時に授受される金銭内訳としてはあまり一般的ではありませんが、まあ予備知識程度でも覚えておいても損はないでしょう。

補足等

 「手付金」や 「内金」については・・・ 購入者に支払の義務があったり、金額の規制があるわけではありませんが、ただ契約する商品に対して確実な購入意思を伝えるために、よほどの迷いや不安が無い限り 求められれば出来るだけお支払いされる事をオススメします。

 ちなみに〜 まだ契約に不安が残っているとかイマイチ納得が行っていない・・・ などという時は、その意思に確実性を持てないから手付などは打たない・打ちたくない・・ というよりも、そこは手付など以前に、そもそも注文書 (契約書)から自体書かない心がけを。 またそういった勇気も。

 一応いくらその注文書を書いた時点では契約は成立しないからと言っても、安易な記入はトラブルをも牽引する可能性が御座いますから。。 (一応やはり注文書を書く事自体は、日常的なよくある行為ではありませんから。 まあ言うならば特別な行為かと)

 またこういった金銭は、確かに販売店や営業マンにとってはとても大きな安心であり保険でもありますが、、(キャンセルされる不安が軽減されるので)

 しかしまた購入者にとっても ”守られるべき権利 (購入する権利等)” が発生する、契約当事者双方の安心と信頼を結ぶ重要な行為(意思表示)とも言えますから、(購入権利の意思表示

 いずれにしても前向きに考えられることをオススメ致します。

 契約は ”双方が合意のもと締結する法律行為” です。 なので契約が成立しない限りは、買主は自由に購入意思を取り消し出来る代わりに、売主もまた自由に売却意志を取り消す事が可能なこと〜 また一旦でも契約が成立してしまうと、買主は自由にその購入意思を撤回できなくなりますが、ただ売主も勝手にその売却意志は変更できなくなる〜 という事も、一応念のため忘れないで下さいね ^^
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