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日本との環境の違い

 外車は壊れやすいイメージのひとつとしてよく挙がる ”環境の違い”

 寒い国で生産販売されるクルマを暑い国で売ろうとしたら、、 おそらく何の対策もなければ、使用環境の差異からほぼ十中八九壊れてしまうでしょう。

 それと同じように、日本とは異なる環境下から来た車をそのまま日本で使うと。。

フランスの道路

そもそも何故環境が影響するのか

 先ず自動車というものは、その国に一番適した形で開発されるのが基本中の基本。

 道路環境(⇒ 乗り心地や性能)、 天候(⇒ 候耐性や快適性)、 性能(機能や使い勝手、耐久性、能力等) ユーザーの習慣、好み、文化、こだわり、ニーズ、、 もう挙げるとキリがないくらいに。

 そしてその一番最高の形を作り上げることが出来るのは〜 やはりその国の自動車メーカー。

 それは間違いのない事実。 まただれもがそれを疑う事はないでしょう。

 しかしもしそのクルマを海外へ持ちこもうとしたならば?

 例えお隣の国同士でも国境を超えると文化から全てにおいて環境が変わってくるはずですから、

 間違いなくその国の環境に全く合わず、一部の愛好家をのぞくと売れないばかりでなく、、 これまで最高で文句なしだったクルマが一転して 故障トラブルの絶えない問題車両にさえなってしまう可能性だって。。

 例: 路面環境が良く高速走行の頻度が高い国から ⇒ 路面環境が悪くガタガタ。しかも万年渋滞ラッシュの国へ。 ⇒ 足回りの適正さに欠け おそらく恐ろしく乗り味の悪いクルマになってしまい、さらに環境に対する耐久性に欠け故障が頻発することに。 (その他足回りだけでなく、そもそも多くの部分で高い耐振性は兼ね備えておらず、振動による各機関故障が絶えないようになる可能性も。 また求めるパワーバンド環境の違いから、気持ちのいい部分すら使う事なく むしろ想定外の部分へ過負荷がかたよりそれによるトラブル頻発も)
 例: 比較的涼しく郊外走行の多い国から ⇒ 高温多湿で渋滞の多い国へ。 ⇒ ほぼ間違いなく冷却性能不足からオーバーヒート気味になり、またそういったヒートの直接的支障だけでなく、車両の置かれる想定外の高温多湿という環境下で消耗品劣化の促進まで併発しかねないとも。 (その他サビの併発や吸入空気の質が変わる事でエンジン不調を招く可能性も。 それから想定外の結露で電装品内部が浸食されたり部品劣化するなどのトラブルなんてのも)
 例: 例えば電装品。 とある装置は諸外国ではそれほど重要視されない、もしくはほとんど使われないが ⇒ それを高い頻度で使い、かつ高い性能を求める国へ。 ⇒ まず使い勝手に不満が出てきて、追って耐久性の問題が出てくるでしょう。 そもそもそんな頻度や使い方を想定され作られていないですし、低需要ゆえノウハウもユーザーレスポンスも少なくクオリティ自体からして。。

 ※ ちなみにここに挙げた例はもちろんほんの一部。 信号の頻度、一回当たりの乗車距離、勾配高低差、左右通行側、夏冬の気温差、積雪の有無、、 等々環境の違いは数え切れないほどに。 またその数だけ想定外の過環境要素となり、比例して故障リスクも。。

 ということは、

 そもそも日本以外で生まれ育った外車は、紛れもなくこのシミュレーションにものの見事にマッチしているという事であり、

 ゆえそれが起因として、輸入車は壊れやすいというイメージに繋がってしまっているとも。 (ひとつの要素)

 なおここでは、一応その ”境” を国単位で解説しておりますが、一部境遇のほぼ変わらない地域範囲というのも御座いますので、その場合は ”地域” と、そう適所折り読み替えるなどしてご参照願います。 またいくら国が離れていても〜 必然的に環境が非常に似通っている国というのもありますので、その場合も適所ご対応等願います。

但し、全てが全てでないことも

 但し、これまでの要素では〜 あくまで海外で生産開発された外車そのままを輸出入した場合におけるシミュレーション。

 多くの場合、輸出入の過程で、輸出国の環境に合わせ何かしら改善措置は施されておりますので、

 ニュアンスから感じ取れる脅威ほどのリスクはないでしょう。

 それがまあいわゆる ”正規輸入車(正規ディーラー車)”。

 正規輸入車では、予めその輸出国の環境に合わせて部品改良や装備調整などが行われており、また正規ディーラー販売店を通じてリサーチやレスポンスも入りやすく、それら改良も日進月歩。

 実際には、ユーザーの多くが想定しているほどのリスクはないのが現実とも。

 とは言え〜 改良にももちろん限度は御座います。 いずれにしても日本企業が規格&直接改良するわけではありませんし、本国ではまず使われることのないような部品が組み合わせられることも多く、取りあえず的な経験やノウハウ不足による新たなリスクだって。。

 つまりリスクは軽減されても〜 もちろん完全ではありません。 ゆえ少なくとも当該潜在リスクはいずれにしても有るということで。
 と言う事は? 逆に、正規輸入以外の並行輸入車の場合は、、 それだけの潜在リスクは依然として有るということで、まあその場合は例外として。 (ただ並行車でも、全く何も手つかずというわけではありません。 テールライトやウインカー等の公道走行に関する法律に適合させたり、まれに輸入業者オリジナルで、頻度の高いよく指摘される重大な欠陥くらいは手直ししている事もあり、その辺りは予めお含みおきなどのほどを)

それでも輸出されている日本車に定評あるのは何故?

 ちなみにそれじゃあ、、 と言う事で、もしそれがリアルであれば、海外へ輸出される日本車も同じことが言えるのでは?

 しかし日本車って、何処へ行ってもその高性能が評価されているようにも思えるのですが。。

 確かに日本も同じです。

 実際、ベンツやBMWの本拠地である欧州では、レクサスブランドはあまり評価良くありませんし、そもそもその土地に根付いている文化によっては、入り込む隙がないことも多いですから。(米でも大型SUV等)

 ただそれでも〜 大半が高評価を得られているのは、、

 日本車は現地生産を行っておりますし、現地法人で独自に開発改良も行っているから。(日本から技術者が行っていても、実際生産や開発にあたるほとんどの人員は現地国民。 つまりおおよそ現地メーカーと変わらない境遇とも)

 決定的に他の海外自動車メーカーとはここが違うんです。

 なので日本車は、海外に行っても高いクオリティが評価され続けているとも。(高い評価でなくとも、少なくとも評価を落とす事はないとも)

 日本で直接生産開発されている外車メーカーは、今のところ一切ありません。 日本シェアの高いワーゲンはもちろんのこと、メルセデスやBMWもしかり。 つまりここら辺りが起因し、先述の正規であっても〜 改良不足に繋がっているとも。
 ちなみに、発展途上国などそもそも自動車メーカーの無い地域でも日本車が高評価を受けているのは? その場合はどの自動車メーカーも圏外であるため 土俵は同じであり、、 そうするとそもそもの潜在スペックの高い日本車が浮き出る可能性があり、それが直接的に高評価に繋がっているとも。

よくある日本と諸外国との環境の違い

 ところで まあ環境の違いと自動車性能についての関係が分かってもらえた?ところで、

 よくある諸外国との違い、日本特有の環境ってどんなのがある?

 @ 先ず高温多湿

 特に高い湿気はかなり手ごわいでしょう。

 海外住宅と日本古来からの住宅の作りが大きく違うのは、日本古来からの住宅は高温多湿に最適な設計だから。 それくらい海外との違いはあると考えておきましょう。

 A 四季がある、寒暖差が激しい

 日本は、夏暑くて冬は寒い。

 寒波で積雪レベルも高いですし、特にコンクリートジャングルと揶揄される日本の夏は非常にやっかいだそうで。。

 ちなみに日本とヨーロッパを比較した場合、暖かいと言われる南フランスでさえ日本で言う北海道と同等の緯度。 ドイツやイギリスなんかは北海道のまだまだ上ですし。

 B 車両過密で渋滞が多い

 渋滞は日本の何処にでもある環境。

 ちなみに夏場の渋滞は、車にとってはかなり過酷な条件。。 

 C 一回当たりの移動距離が短い

 まあ国土が狭いゆえで致し方ないですが、

 アメリカなんかでは、一度に数百キロという移動も珍しくなく、、 しかし対し日本は、通勤で往復数キロ程度なんてのもザラ。

 移動距離が短いと、人間で言うと、、 朝起きていきなり走りだし、しかも体が暖まる前に終了〜 みたいな。 なんだか体に負担だけかけてそう。。 (実際、熱が加わり各機関が十分な実力を発揮し出す前にエンジンを切るわけですから、色々な部分への負担はかなり考えられようかと)

 D ストップ&ゴーが多い

 海外でも過密都市ならまあ同じかもしれませんが、

 しかしそれでも、日本は何処に言っても信号が多く渋滞も多く〜 走ったり止まったりの繰り返し。

 E 左側走行

 世界的に見ると、右側走行の国は7割と大半を占めておりておりますが、

 しかし日本はそんな中でも希少な左側走行の国。

 意外とこれも大きな環境差だと思われます。

 ちなみに日本と同じ左側走行の国で、そこそこ名の聞く国と言えば〜 イギリス、ニュージーランド、オーストラリア、南アフリカ、タイ、香港、インド、シンガポール等。。 こんなところでしょうか。

 F カーブが多い

 外車は意外と直進安定性を重視する場合が多いです。

 でも日本は直進よりカーブが多く。。

 ちなみに直進安定性を求めるとコーナーリング性能が犠牲になりますし、さらに過度なコーナーリングが耐久性に影響を及ぼすことも。

 G ガソリンエンジン主軸国

 日本市場は大半がガソリンエンジンを占めており、またもちろんシェアも高いです。

 しかしヨーロッパ諸国の多くでは〜 ディーゼルエンジンが大半を占めております。

 ディーゼルエンジンの本場が有しているガソリンエンジンのノウハウは、一体どのくらいのものなのでしょうか。

 H ガソリンが高い

 輸入に依存しているガソリンは、とにかく高いのが日本。

 ちなみに高いからと言って故障やトラブルにつながる何かがあるわけではありませんが、

 しかしそんなガソリンを大事に使おうという技術の違いが、燃費性能に影響するのは予想以上に多大でしょう。

その他 環境の違いが生み出すもの

 なお、これまではどちらかと言うとマイナス要素ばかりでしたが、

 これら違いは〜 何もマイナスな面ばかりではありません。

 逆に違いが生むメリットというのも当然あるでしょう。

 @ デザインの違い

 これはその国の文化がもろ出ますから、人によってはなかなか受け入れられない部分もあるかもしれませんが〜

 しかしよりオリジナリティ高い人と違ったクルマに乗りたい! という要望に対しては、

 これほど理想高い違いはないのでは?

 A 乗り心地

 幸いにも、日本は世界でもトップクラスの良質路面環境があります。

 ゆえ路面環境の異なる海外から来た外車の場合、けっこう乗り心地がよかったりも。

 但し油断は禁物。 乗り味には必ず犠牲になる部分も相対として必ず存在しておりますので、(例: 高速安定性が高い ⇒ 小回りが苦手) その辺りには予めご留意のほどを。

 というわけで環境の違いと輸入車について色々と触れてみましたが、

 皆様のご参考なる部分御座いましたら幸いです。


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