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貨物用タイヤ

 タイヤはタイヤでも、、 重量物積載用に特別に強靭に作られた貨物用タイヤというものも存在します。

 軽トラやハイエースなどのワンボックスバン、10人乗りとかの大型ワゴン、また街中でよく見るトラックまで〜 おおよそこのタイヤが標準装備となっているはず。

普通のタイヤと何が違う?

 とにかくサイド部分の強度が違います。

 普通のタイヤ(乗用車用)より補強されていて、(そのサイズから比較し) 重量が掛かってもバーストし難い構造になっています。

 但し、そういった耐荷重性が高い一方でゴムもそこそこ固く、乗用車向けの普通タイヤほどグリップ性能が高くなかったり、また乗り心地も随分とゴツゴツした感覚が強いでしょう。

 それと値段もそこそこ高かったりもします。

 ちなみにスタッドレスタイヤにもこの規格は存在しておりますが、もちろん耐荷重性が高くなる一方で 雪道走破性にはあまり期待は禁物とも。。

タイヤサイズの見方、調べ方 /規格

 タイヤサイズの見方は・・・ タイヤの側面に書かれている規格数値から調べる事が出来ます。 この辺りは通常のタイヤと何ら変わりないです。

タイヤサイズの見方(プライタイヤ)
これが、タイヤのサイズを表す数値

 この数値を分かりやすく拡大マーキングしてみると・・・

タイヤサイズの記号など(プライタイヤ)

 このような数値やアルファベットが並んでおり、それぞれの数値等は5つの規格を表しています。

 145 ⇒ タイヤの幅
 数値が大きくなればタイヤの幅が太くなります。

 R ⇒ ラジアル構造
 「R」はラジアルの意味。

 12 ⇒ インチサイズ
 これがいわゆるタイヤのインチ数値。 「12」と書かれていれば12インチという事。

 6PR ⇒ プライレイティング
 簡単に言えばタイヤの強度。 耐荷重性ですね。 ちなみに6PR = ”6プライ” と呼び、またこのPRが付記されているタイヤの事を ”プライタイヤ” と呼びます。

 なお近年では、このプライレイティングに代わって 乗用車用・普通タイヤと同じようにロードインデックス(負荷能力値)表記をするタイヤも増えてきており、(またこの場合、これも普通タイヤと同じように ”偏平率” と ”速度” 表記も加わります)

 ※ 例: 195/70R15 106/104L LT

 70 ⇒ 偏平率
 106/104 ⇒ ロードインデックス(負荷能力。 まあいわゆる強度を表す部分
  ⇒ 速度表記

 そういったタイヤも同様に貨物用とお考えください。(ロードインデックスが ”/” スラッシュを隔て2つ記載されているのが特徴)

 ちなみに昨今では、”6PR” や ”8PR” といったようなプライレイティング表記は、主に軽トラックや軽ハコバン(アトレーとかハイゼットバン、バモス等)などで多く見られ、後者のロードインデックス表記はハイエースバンやキャラバンといった白4ナンバーの小型貨物で多く見られるでしょう。

 ※ こういった強度を表す表記は、貨物用タイヤでは非常に重要となります。(選択ミスをすると車検に通らないことも) 乗用車用の普通タイヤではそれほど気にしなくてもよかったですが、貨物用ではここの英数記号も必ず注視されますようご留意ください。

 LT ⇒ ライトトラックの意
 いわゆるバン用(貨物用)タイヤという表記で、おおよそ4ナンバー貨物用(向け)という意味で取っていただいて問題ないでしょう。

 但し、この最後尾の ”LT” につきましては、特に国際基準で決まっている表記ではありませんので、タイヤメーカーによっては表記がなかったり、あるいは他の ”C(カーゴ)” といった表記が付記されている場合も御座います。
 
 なお、これら貨物用タイヤは、主旨上では一応貨物向けということですが、ただ構造的には通常より強度を上げた仕様ということですので、何も貨物車でなくとも〜 一般的な3ナンバーや5ナンバーの乗用車でも取り付け走行されても何ら問題ありません。 むしろ強度が欲しい場合にはあえてこういったタイヤを選択するというのも十分アリでしょう。 (キャンピング用途で頻繁に重量物を積載される方とか、また10人乗りのハイエースワゴンなどでは、メーカー純正からしてこういった貨物用タイヤが装着されておりますし。。)

強度を上げる = 数値を上げる

 タイヤ強度を上げたい場合には、単純にその耐荷重性、及びロードインデックスを上げてやればOKです。

 例えば、、 6PR ⇒ 8PR。  103/101 ⇒ 106/104。 とか。

 ちなみに普通タイヤ(乗用車用)からアップされる場合には、同サイズでライトトラック用(貨物用)でしたら間違いなく強度は上がりますが、(貨物用は、同サイズ比 普通タイヤより強度が高く作られている) どうしても数値的に考える場合には、軽自動車なら6PR以上、それ以外は ロードインデックスの高い方の数値を上げる感じで問題ないでしょう。(例: 195/70 R15 92S ⇒ 195/70 R15 106/104L)

車検

 こういった貨物用タイヤではよく討論される話があります。 それはメーカー指定以外のタイヤを装着した場合、車検に通るか通らないかといった話。

 例えば、、 自動車メーカー純正では6PRのタイヤが指定されていますが、どうも乗り心地が悪いので乗用車用タイヤを履きたい〜 といった場合や、(乗用車用の方が安いので〜 とかも) またスタッドレスタイヤのゴムがどうしても固く効きが悪いので、乗用車用の柔らかくて効きがいいやつにしたい〜 とか。。

 その他、同じ貨物用でメーカー指定 8PR ⇒ 6PRへ落としたいとかも。(中古タイヤが希少などで)

 ちなみにこれら率直に申しますと、

 自動車メーカー指定の強度でなくとも、車重(積載量)に耐対応できる強度(耐用荷重)のあるタイヤであれば、あえて貨物用を選択する必要はないんです。

 そもそもタイヤメーカーが ”貨物用” として販売していても、それはあくまで ”貨物向け” というだけで、乗用車用タイヤから強度を上げているだけにすぎません。

 つまり乗用車用でも相応の強度があれば、そのタイヤでも全然車検は大丈夫なんです。(独立行政法人自動車技術総合機構審査事務規程(車検の法令解釈)より)

 しかし! これはあくまで厳密論であり 現場論ではありません。

 現場では車検を行う国家試験保有者でもある ”検査員” が絶対の法律です。

 さらに、そういった強度が確保されているか否かはごちゃごちゃと複雑な公式?理論?で算出しなければならず、はっきり言って面倒ですし〜 よく分からないし〜 計算ミスする可能性だってあるし〜 またこういった現実はタイヤチョイスするユーザー側だって同じこと。

 つまりグレーゾーンは全て ”クロ” にしておけ!的なマージン策が優先されるとも言え、

 検査員におけるマージン策 ⇒ 車検判定の法令は非常に難しいです。 なので時折、その状態が是か非か分からないことも多く、、 また法令の見解は個人によって多少異なることも多く、、 しかしもし曖昧な検査をして法に触れてしまうようなことがあれば、発覚してしまうと検査員資格を永久はく奪されてしまうという現実もあり、(あくまで可能性。ケースバイケース。ただ少なくとも何かしらの責任は圧し掛かってくるでしょう) よって是か非か分からないグレーゾーンは全てクロ(ダメ、NG、不合格)にしておけば、もし間違っていても罰を問われたり責任を負わされる事もないので そう選択することが多い 車検によく見られる検査員の権威策とも。 (いわゆる検査員によって判定が分かれるという所以のひとつ)

 まあほとんどの現場・現状では、自動車メーカー指定の貨物用タイヤでないとダメ、もしくはそれが確実であるということになるでしょう。(純正指定されているサイズ規格なら 絶対間違いないですから)

 プライタイヤや貨物用、もしくは指定タイヤでないといけない! というのは間違いなんですが、しかしその装着タイヤが法令強度に満ているか否かを判断することは難しいので、もうそうと決めつけちゃえ! みたいな。
 なお貨物用から貨物用へ交換するにあたって、プライ値やロードインデックス値が上がる分は全く問題は出てきません。(例: 6PR ⇒ 8PR) 必要強度以上ですから。。
 ちなみに非常に細かいところまで申しますと、乗用車用タイヤだってこのような指定強度は御座います。 ただ国内で流通するタイヤのほとんどは、インチや幅・偏平率などさえ同じであれば十分指定強度以上はあるため、まあ現状はほとんどスルーしておいても問題ないでしょう。(ていうかほとんどスルーされている)

メーカー指定サイズの調べ方。 その他知識

 自動車メーカー指定サイズは、車両の取扱い説明書サービスデータ等へ記載されています。 また取説がなくても、おおよそ現車の前席ドア開口部辺りにステッカーが貼られていますので、そこでも調べられるでしょう。(タイヤの空気圧とともに、指定サイズのタイヤなども記載されています)

 ちなみに現車のタイヤを見れば一目瞭然〜 でもありますが、ただこの場合、中古車や個人売買などで車を譲り受けられたクルマの場合には、稀に強度の足りないタイヤが誤装着されていることもあり、出来る限りサービスデータなどでのご確認をオススメ致します。

 
 なお一応これも補足ですが、4ナンバーの貨物車だからと言って〜 必ずしも貨物用タイヤが指定されているとは限りません。 特に軽箱バンや軽ボンネットバン(ミラバンやアルトバン等) では乗用車用タイヤを指定タイヤとしているケースも多く、もちろんこれらは乗用車用でも十分強度(耐用荷重)が確保されているからであって、また貨物用タイヤをあえて装着する必要もありませんので、商用車・貨物車だから必ずしもタイヤも、、 と、限定的に考えてしまわないようにもご留意ください。

 その他---

 残り溝とか製造年月日など、その他色々関連知識も御座いますが、

 なお、そういったその他関連知識につきましては 通常の普通タイヤ(乗用車用)と同じですので、

 それらその他知識については別途普通タイヤ編にて。

 というわけで以上、貨物用タイヤについての色々な知識編でした。


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