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カーバッテリー (メンテナンスや交換編)

 自動車に関する部品知識。 バッテリーの基本的な知識編、 それからバッテリー上がりに関する知識編に続き〜 今回はメンテナンスや交換などについての知識を。(DIY交換の参考などにも)

自動車用バッテリー

DIYでバッテリー交換するなら〜 最低限の知識は知っておこう

 先ずバッテリーの交換うんぬん。。 バッテリーには一定の法則に従って定められている ”規格” というものが存在し、またその規格を知らないとバッテリー交換なんて不可能です。

 なので取りあえず〜 先ずは基礎編で規格についての、またその他関連のおさらいもしておきましょう。

取扱い、メンテナンス等

 極性と端子の脱着
 バッテリー端子には「+」と「−」がありますが、交換などで端子を脱着する場合には、

 必ず「−」から脱着 し、

 「+」と「−」を間違えないように取扱いましょう。

 ちなみに「+」と 「−」の端子は、誤接続防止のため大きさが違います。

 またもし「+」と「−」を間違えて接続してしまうと、ショート(火花が散る)するだけでなく、ヒューズ切れやコンピューターの故障、車両火災に至る危険性もありますので、十二分に注意して下さいね〜。 (「−」端子脱着の際は、工具が「+」端子に接触しないようにも十分注意して下さい

 ていうかこういった誤接続のないように、端子の大きさだけでなく、、 配線類も届き難く設計もされておりますので、まあ普通では誤接続の恐れはほぼ無いんですけどね。。 まあ一応参考までに。
 
 一度バッテリー端子を取り外すと〜 これまで車両に流れていた常時電流まで絶たれてしまいます。 ということは、個別のバックアップ電源を持たないような装備品のメモリー機能は、その瞬間にオールクリアーされてしまいますので、端子を再接続の際には、そういったメモリーは再度設定しなおすなどしてください。(例: 車両に付いている時計、パワーウインドウの接続設定など(運転席から他の座席のウインドウ操作が出来なくなる))

 また端子の着脱の前には、出来るだけドアは開けたまま、、 もしくはドア・ウインドウは開放したままにされておいてください。(もし難しいようであれば、最低限、車室内へキーを置いたままにしないでください) 車種によっては、バッテリーを再接続した瞬間 ドアロックシステムが再起動し、、 全てのドアが自動にロック(施錠)作動するクルマもあり、もしその時 閉め切られた車室内へキーが置いたままにされていたなら〜 強制的にインロックとなってしまいますので、これら十分すぎるほどご注意のほどを。

 使用済みバッテリー
 バッテリーは家庭ゴミと一緒には出せません。 必ず整備工場など、バッテリー取扱店へ持ち込み回収してもらいましょう。

 最近は、ネット購入したバッテリーでも、、 販売店による無料引取りサービスを実施しているお店も多いです。 また家電製品をリサイクル回収しているような金属くず解体業者? でも、無料引取り、場合によってはいくらかで買い取ってもらえる事もあります。(バッテリーには純度の高い鉛が使われているので、その鉛に価値がある)

 バッテリー液について
 バッテリー液が不足すると本来の性能が出せません。 バッテリーの横から液量のチェックをし、「LOWER LEVEL」より少ない場合は補充液を足しましょう。

バッテリー液の補充範囲
液量レベル
 
 補充の際は、絶対に「UPPER LEVEL」より上にならないようにして下さい。 液の入れすぎは液の噴き出しの原因となり、バッテリー周辺の腐食の原因となります。 またメンテナンスフリー「密封タイプ」のバッテリーは補充の必要はありません。 もちろん無理にフタを開けたりしないようにして下さい。
バッテリー周辺が、バッテリー液の影響で腐食している
バッテリー液が原因の腐食

 端子の定期チェック
 たまには端子の緩みもチェックしましょう。(緩んでいて接触不良になっていて、エンジンがかからない始動不良となる事もあります)

 また稀ではありますが、「−」端子に白や青白い粉が付着している事もあります。

 この粉が多くなると、端子の接触不良や腐食の原因となりますので、端子をはずしてキレイに清掃し、出来れば潤滑剤を塗布しておくなどの処置もしておきましょう。(この白い粉が原因で、バッテリーへの充電不良や エンジン始動時の電圧不足を招くこともあります。 実際、バッテリーを替えても替えても〜 謎のバッテリー上がりの原因が、この白い粉だった、、 といった例も多く御座います)

錆びてきているバッテリー端子
端子のサビ。これもいづれ接触不良をおこすことも。
端子に付着した白い粉
端子に付着した白い粉

容量アップ、パワーアップ

 バッテリー規格の英数字を理解していれば、サイズ適合が可能な限り いくらでも簡単にパワーアップすることが可能です。

 「28B17R」のバッテリーを ⇒ 「34B17R」へ。 「38B19R」のバッテリーを ⇒ 「44B19R」へ。 こでだけでより容量の大きいより性能の高いバッテリーへとパワーアップします。

 またさらにクルマについての構造をよくご存知の方であれば、そういった適合性の壁を超えてのパワーアップだって可能です。

 寒冷地にお住まいで、(スキー場など寒冷地へ頻繁に行かれる方も) しかし購入した中古車が寒冷地仕様になっていないとか〜

 そもそも自動車メーカーでの寒冷地仕様は、通常よりも容量の大きなバッテリーが付いています。 これは、低温下ではバッテリーの能力がかなり下がってしまうため、、 それを補うために予め高容量のバッテリーを仕様のひとつとしているんですね。。(車種によっては変更の無い場合もありますが)

 という事は? 寒冷地仕様でないクルマを寒冷地で使用される場合には、、 おおよそバッテリーの能力不足 ⇒ 可能な限り容量アップを! と。

 カーナビやETC、リアモニター等、電装品を多く後付けされた場合とか〜

 電装品が多く付けばつくほど、、 バッテリーの消費電力が大きくなり負荷も大きくなり、場合によっては寿命を縮めたり バッテリー上がりを誘発してしまうことも。(バッテリーへの負担以外にも、エアコンの効きが悪くなったり〜 他の電装品へ影響を及ぼすことも)

 特にモニター系は消費電力も大きいですので、、 電装品を多く後付けされている方も可能な限り容量アップで バッテリーに余裕を!

 そういったお心当たり御座います方は、是非ご参考などまでに。

 但し、あまりにも極端な容量アップ過ぎる場合には、、

 今度は、充電する側の発電量が追い付かず、発電機が高負荷すぎて そっちの方が故障に見舞われやすくなったり、(寿命が縮まる)

 またそれだけ必要な発電量が多くなるゆえ〜 燃費の悪化を招く事も。(発電と燃費の関係は 後程の充電制御についてをご参考ください)

 まあモノには限度がなんとやら。 ですよ。

バッテリーサイズ(長さ)を小さくしたい

 端子のサイズさえ同じであれば〜(長さを短くする) また小さくする分にはほとんどの場合設置スペースが確保できますので、実践的には問題ないでしょう。(問題あるとしたら、取付金具が合わなくなる可能性があるというくらい)

 また基本的に使用上支障が出ることもなく、使用上でもまずほぼ問題はないでしょう。(使えるか否か)

 ただ小さくなった分バッテリーへの負荷は過大となってしまい、(容量に余裕がない) バッテリー寿命が極端に落ちるだけでなく、、 常に充電を補充しようとするコンピューター制御により燃費が悪くなってしまったり、、 またバッテリー上がりのリスクだって増大することも。

 というわけで、こういった小型化はあまりオススメ出来るものではないことは予め。

 なお、端子(ターミナル)サイズが変わるほどに縮小化される場合には、(A、B、D といったサイズ表記) 例えターミナルに手を加え取付出来たとしても、度を超えた小型化と言え〜 もちろんこの場合は大いに問題アリと言えますので、間違ってもやらないように。(エンジン始動時に一気にバッテリー消耗されてしまい、エンジンがかからないだけでなく〜 バッテリーをもダメにしてしまう可能性があったり、またもし始動できたとしても〜 走行中の突然のエンジンストップなど二次的トラブルに遭う可能性もあり、どちらかと言えば問題ありというよりも、大変危険です。 絶対にやらないように)

弱っているバッテリーの専門的な見分け方、交換時期の目安

 これまで当サイトのブログなどでも〜 弱っているバッテリーの簡易的な見分け方についても触れておりますが、

 しかしこれらでは誰でも簡単にチェックできる反面、正確性に欠ける面は否定できません。

 というわけで今回は、もうちょっと専門的に踏み込み、もうちょっと精度を上げた交換時期の見分け方について触れておきましょうか。。(なおこれらも、あくまで個人レベルで出来る範囲のものに限定)

 バッテリー電圧のチェック
 数値の把握できるチェッカーが必要にはなりますが、これは精度を上げるため最低限必要になる情報と考えておきましょう。

 また使用するチェッカーは、出来ればアナログではなく〜 読み取り誤差のないデジタルメーターを推奨します。

 チェック方法は簡単。

 車両使用直後は避け、(エンジンを切った直後は直前まで補充電されていますので、一時的に電圧が高くなっています) 最低でも1日、出来れば3日ほどエンジン始動せずに放置し、バッテリー端子直接での電圧を計測します。

 ちなみにその計測時での電圧が、、 12.5V 以上であれば〜 そのバッテリーはまだまだ現役でしょう。

 ある程度放置していてもエンジン始動に十分な電圧を保持出来ているため、内面的な劣化はそれほどまでに進行していない証と言えるでしょう。

 なおその時の電圧がもし 12.5V 未満であったなら〜 それでもその場で即時的に交換時期かどうかの判断は出来ませんが、

 少なくとも、内面的な劣化は進んでいることは否定できないでしょう。(注意初期〜 要注意範囲。 そろそろ交換の検討を推奨)

 ただもし12Vを切るようでしたら、、 その場合は出来るだけ早急な交換を検討しましょう。

 かなり劣化は進行しているかと思われますので。。(いつバッテリー上がりを起こしてもおかしくないかも。 またちょっとした事で上がりやすくなっていると思われます)

 但し、電圧チェックは判断ポイントのひとつでしかありません。 車両の補充電制御のタイミングなどで〜 一時的に電圧が下がっていた。。 そもそも車両側の充電システムの不良、もしくは漏電。。 車両駐車中の、常時電源の使用量など。。 タイミングや車個々によっては、ここでいう判断は必ずしも当てはまるというわけではありません。

 ちなみにこれらチェックは、初歩的な判断ミスを軽減する目的で〜 出来れば複数回のチェックの後 判断されるのが理想かな。
 それと昨今の多くのクルマでは、なかなか常時満充電という状態も少ないです。 なのでその放置作業前には一度、可能であれば充電器などで補充電され ⇒ 放置 ⇒ チェック といった感じで、テストされるのが一応は理想かな。(ただまあこれでは充電器が必要なんで、あくまで可能であれば、、 ということで)

 バッテリーの触診
 触診といっても、バッテリーを表面から触ってみるだけです。

 但し、バッテリーは一度取外ししないとこの方法はとれませんので、一応この辺りは予め。。(バッテリー側面を手で触れるほどのスペースがあれば、この限りではないでしょう)

 これもやり方は簡単。

 プラスマイナスの端子が奥になるように置き、(手前でも可。 バッテリーはあくまで立てたままで。 ブランド名などのロゴ・プリントがこちらを向いている状態ですね)

 その状態でのバッテリーケースの側面を触ってみて〜

バッテリーが膨らんでいるかどうか触診

 面全体が明らかに膨らんでいると判断出来る場合には、、 やや要注意。 交換時期が近いと思われていてもいいでしょう。

 これは何故なのか?

 バッテリーは充放電を繰り返すうちに、、 電極板とよばれる内部構造物に溶液結晶が蓄積されていき、(専門用語でこれをサルフェーションといいます)

 この結晶は増えれば増えるほど〜 充電能力が落ちたり電気の流れが悪くなってしまいます。

 つまり、外面のパッケージ上を触れて明らかにバッテリー側面の湾曲肥大が確認出来るということは、、 その結晶の蓄積もかなりの量と判断でき、

 相応の劣化状態も想定されるわけと。(言うなれば 劣化の度合が目に見えて出て来ているとも)

 但し、この辺りの判断につきましては、人によってその膨らんでいるという感覚が異なりますし、また多少の膨らみ程度であれば、まだまだ正常と呼べるバッテリーも多くありますし、しかもそもそもメーカーやブランドによってその内部構造物が違っていたりパッケージ強度が違っていたりで、、 個々 湾曲の度合と劣化の度合とが必ずしも比例するとも限らず、(中には湾曲を確認出来なくとも劣化している個体も) いずれにしても、あくまで判断要素のひとつでしかなく、かつ絶対確実なものではないことも予め。

 と、だいたいこんな感じかな。。

 その他
 なお、バッテリーの良否判断には、、 その他、CCA測定を行ったり比重を確認したりと様々な方法があり、またこれらの判別も含めより正確な判断になろうかと思われますが、

 ただここまでとなると個人レベルでの測定はほぼ不可能とも言えますので、(主に機材的な問題)

 今回、それら辺りについてまでは触れません。 予めご了承ください。

 以上参考などまでに。

 ちなみに、もちろんこれらやや精度を高めたチェック方法でも〜 あくまでひとつの目安であり、予測であり、かつ絶対的なものでもないため〜 これらチェックである程度の劣化を把握できたとしても、、 またあるいは劣化を確認できなくとも、、 最終的には最寄の専門的な整備工場での点検を。

 とは言え、これらは実際の工場や車屋さんなどでも、最低限の持ち合わせで行われる時のチェック方法でもありますので、ある程度頼れるチェック方法だということも予め。

 どっちやねん。 みたいな。

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