警報もある意味その一種かもしれませんが、警報や発光による視覚的・心理的な防犯装置ではなく、車の移動やエンジンの始動など、盗難そのものを直接物理的に抑止する防犯装置が「盗難防止装置」です。
但し、盗難防止装置には車上荒し等の防犯効果が非常に薄いですので、(車の盗難防止を目的としたものはそもそも車内物の盗難防止にはならないですから) また犯行に及ばれる初動抑止効果もほぼ無いに等しいですので、(目視で目立つモノなら限定効果はあるかもしれませんが) 出来れば盗難警報装置と組み合わせて使用するか、もしくはそういった機能を有するシステムを採用するかなどが望ましいと言えるかも。
当該装置の最大の目的は ”盗難被害の直接的抑止”。
あくまで盗られないことに重点を置いたシステムですので、その防犯能力は他の何にも代わることはないでしょう。
カーナビ、車、ホイール、、 強固なシステムで対象物を頑丈に守ってくれる事でしょう。
但し! そう〜 もうお気づきかもしれませんが、
ひとつのシステムではひとつの物しか守れないのが基本。 --なので沢山守りたいものがあればそれだけシステムを多く取り付けなければならず、また専用キーなどその管理もかなり大変になることも多く、、(WEB会員のIDとパスワード管理みたいな感じかな)
その辺が大きなデメリットかな。
あ、そうそう-- 一応補足しておきますが、
こういったシステムは目に見えないモノも多く、(ハンドルロックやホイールのロックナットは目視可能ですが、イモビライザーやカーナビの盗難防止ネジとかは まず表からは確認出来ないでしょう)
確かに、対象物の盗難防止効果は高いものの〜 盗難作業 ⇒ あきらめ までの犯行工程で、二次被害を被ってしまう可能性は十分考えられますので、(カーナビを盗ろうと窓ガラスを割って侵入し、ダッシュボードをズタズタに裁断してみたが〜 盗難防止ネジが邪魔して結局あきらめるも、、 そこまでの仮定で既に大きな被害が。。 また侵入ついでに、車室内を物色されるおまけまで。。 もちろん車の盗難だって同じことが言えるでしょう)
つまり犯行の初動を抑止する効果が全くないか、あっても限定的なので、
そこも大きなデメリットと言えるでしょう。 (その穴埋めをするために、他の警報システムなどの併用は出来るだけ積極的に考えておきたいかな)
まあこの装置を簡単に言えば、城壁を突破され門番を倒され侵入をゆるしても、城内の数々のトラップでその侵入者の行く手を阻む その待ち受けるトラップ的存在かな。 あるいは金庫みたいなものとも。
もうご存知の方も多いでしょうし、国土交通省からの通達指導あって、各自動車メーカーも新車時からの標準装備とする動きもあり、今やその盗難防止装置の代名詞的存在 ”イモビライザー” (効果の高さも)。 略してイモビと呼ぶことも。
エンジンの始動時に、特殊キーから発信される電子IDと車両側の情報(ID)を照合させ、IDの一致を確認してエンジンを始動させるハイテクな盗難防止装置です。
もちろん、IDが一致しないとエンジンは掛かりませんので、その本キーを持ち出されない限り 車も持って行かれることもないと。。
現在の自動車盗難防止システムの中で一番防犯性の高いシステムと言われており、実際の防犯効果も上がっている事から、メーカー純正のイモビライザーが装着されている車は 自動車保険(車両保険)の割引対象となることも。(但し、イモビライザー割引は保険会社によって規定や補償内容、またそもそもそういった特約があるかないか またそれぞれ異なります)
それくらい効果は抜群とも。
ちなみに、自動車メーカーの純正品の場合は 車両の大量生産ゆえ機密情報が解読されやすく、対プロ(プロの窃盗団対策) ではやや不安が残る可能性はあるが、(特にランクルなどのプロに狙われやすい車種ならではの話ですが) 有名セキュリティ・メーカーからもイモビライザー機能のある防犯装置が色々と市販されていますので、高い技術をもつインストーラーオリジナルの防犯システムを別途構築する事も可能ですし、またメーカーで標準装備されていない車種にもイモビライザーを取り付ける事も可能と、、
やや敷居は高いが拡張性があったりも。。
ハンドルやシフトレバーを固定したり、何らかの障害物によって車を動かせないようにする防犯対策が、
物理的な盗難防止装置
です。(まあイモビなんかも一種の物理的なものですが、ここでは何かしらの物体を使って物体そのものの動きを封じてしまう装置をお考えください。 また車上荒らし対策として、カーナビの特殊ネジなんかもそうですね)
他のセキュリティ・システムと併用する事で、盗難防止の効果を向上させる事も可能。 (複数のセキュリティー・システムの視覚効果で、狙われる確立を下げる効果も・・・)
但し、この手の物体系はプロの窃盗団に対してはほぼ無意味です。 物理に対して物理で無理矢理解体バラシする専門工具はいくらでもありますから、またそんな工具はなんの高い知識も必要ありませんし、まあ効果あって ”盗み作業の時間稼ぎ” くらいでしょうか。 (数万円もするハンドルロックでも、僅か数秒で破壊してしまえる道具くらいはプロの窃盗団なら必ず持っています)
それから部品盗対策としても、それら以外は全くのフリー状態であることも十分考えておきましょう。
遭ってからでは遅い! 何も戻らない! 被害に遭う前に、誰でも出来るカーセキュリティ入門