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冠水車(水害車、水没車、浸水車)か否か。。
まあ現場ならまだしも、美化整備され市場に出回っているものだと、まずはっきり言ってパッと見た目では全然分かりません。
このクルマ ↓ もリアル冠水車ですが、(水害現場から引き揚げた直後。 下回りに泥が流れ出ているので この場合は分かりやすいですが)
キレイに美化整備さえされてしまえば〜 通常と何ら変わりない車にしか見えません。
というわけでこういった冠水車を見分けるには、一体何処を調べればいいの?
先ず本題の前に、そもそも冠水車の定義って?
いわゆる床上浸水からが冠水車という扱いを受けます。(骨格用語で言えばフロア)
つまり車室内へ水が浸入したものが該当します。
なお、フロア付近止まりであれば比較的軽度という扱いを受け、業界では ”半冠水” といった呼び方をされる場合もありますが、
ただいずれにしても、半であろうが全であろうがリスクがあることには変わりありませんので、
考え方としては、フロアへ浸水があったものは全て冠水車で。
さて仕切り直して本題へ。
見分けるには?
車は鉄板から作られていますし、鉄製部品もかなり多いです。
なのでとにかくサビ探しが見分け方の第一歩。
但し、ボディのように鉄が直接むき出しになっていない箇所は、当然 普通はそうそう錆びることはありませんので、錆びやすい箇所を重点的に見ていかないといけないことは予め。 また鉄製品であれば、特に水に触れたわけでもなくいつの間にか錆びる習性もあるゆえ、(酸化) 自然に発生してしまうような細かいものは予め除外し、(茶色いやつ) あからさまに水が付着した際に出やすい粉が吹いたようなサビと見分けながらのチェックが必要な事も予め。
例えば---
シートの裏
スプリングとか何だかよくわからない鉄線とかが色々と見えるかもしれませんが、ここら辺りが異様に錆びていませんか? ただここら辺りって、着座者による湿気が流れ込みやすく、その影響で錆びる事も多いですので〜 ある程度までは許容範囲で見ておきたいことと、一つのシートだけでなく、前席まんべんなく見ることも必須かと。
足元
ブレーキやアクセルなどの根元(ブラケット)とか、またそこからちょっと上をのぞくと鉄製の色々なパーツが所狭しと見えるかと思われ、その辺りもチェックポイント。
工具類やトランクルーム等も
ここらは比較的簡単にチェックできる箇所。 ただそれだけに、既にキレイにクリーニングされている可能性は高く、チェックポイントとしては予備的と考えておきましょう。 またトランクルーム等は、雨漏れなど他の要因によって錆びている場合もありますので、もしサビがあってもそれだけで確定的とせず、他の要素も含めて総合的な判断へ。
とまあこんな感じかなあ。
それから、浸水があったことを裏付ける痕跡探しも。
痕跡?
例えば泥が貯まっているとか 水の引き際に出来易い ”層” のようなものとか。(水が引いて行く時に、徐々に地層のように汚れを残していくアレ)
但し、これらも、洗われてしまいやすいような箇所では先ず見る事も 跡形すらも期待出来ませんので、相応の箇所を重点的に見ていかないといけないことは予め。
例えば---
こんなドアの中に出来易い ”層” とか。
ちなみにこの画像は、怪しい? 止まりで、確定要素としてはやや弱いかな。。
もうちょっとあからさまな ”泥” であれば、かつ回りにも泥が多く付着していれば〜 十分確定的なんですが。(ドアの下部に泥が貯まっているとかも)
その他だと、ラジエター回りなんかにもこんな層は出来易いかも。
とまあ- こちらもこんな感じで。
以上、皆様のお役に立てる部分があれば幸いです。
もちろん私、中古自動車査定士の資格持ってますんで