買取り査定のススメ

実は・・・、　中古車の下取りを苦手としている販売店（車屋さん）って意外と多く存在するのです。

言葉や名目上では 「下取り車」と言っても、結局のところ、販売店にとっては「中古車の仕入れ（買取り）」に相当する業務です。

通常の仕入れであれば、販売店が 「仕入れ車」を選んで検討して厳選して購入できるのですが、「下取り」という仕入れは、その目の前の一台しかなく、選ぶ事も検討する事も厳選する事も出来ず、販売店が選り好んで仕入れられる車ではないのです。（半ば強制的な仕入れ・・・といった感じ）

場合によっては、

「この車、全然欲しくない！」　と思う中古車（下取り車）も当然あるでしょう。

もし貴方が下取りする立場であれば、（車屋さん）

「欲しくない車」　「転売に自信のない中古車」　といったクルマを下取りしないといけない場合にはどうしますか？（強制）

おそらく十中八九　”可能な限り安く下取りする”　のでは？

車屋さんもそうします。

欲しくないものをワザワザ大枚はたいて買うなんて、そんなことは絶対にないでしょう。

ましてや車屋さんは　”車を売ってなんぼ”　の商売。　下取り屋さんではありません。

つまり専門外の事で頑張るなんてこともやらないでしょう。（逆に安く査定することには頑張るかもしれませんが）

しかし！　買取り専門店はちょっと違います！

車屋さんが車を販売するエキスパートならば、買取り専門店は 「車を買取る」エキスパート。

そう！

買取り専門店は、買取る事が仕事であり、どんな中古車でも買取らなければ商いになりません。　車屋さんは下取りなんてしなくてもいくらでも商売は出来ますが、買取り屋さんはクルマを買い取らなければ商売になりません。　好き嫌いなんて言ってたらそれこそ商売になりません。（欲しくない〜　なんて考えた日には、下取り予定の車を横取りするどころか、競合する他店に競り勝ち取りすることも。。）

つまり　目の前に出されたクルマをいかに最高の形で買い取るか。　出されたものは全て好意的かつ積極的に。（車屋さんで言うところの、クルマを売る時の積極的な商談姿勢みたいな）

これが買取り専門店。

いかがでしょうか。

先ほども少々触れましたが、買取り専門店の転売・流通ネットワーク・ルートは、はっきり言ってスゴイです！（全てが全てではありませんが）

先ず、大手の某買取り専門店を例にしてみると・・・

全国に展開する買取りの窓口となる店舗数は４００件オーバー（直営店のみ）、さらに！　買取った車の流通先と思われる販売拠点は〜　約１８，０００件と、普通の車屋さんでは到底考えられないほどの大きなネットワークを持っていますし、

またその他一部の買取り店では「中古車オートオークション」と直接提携していたり、（オークション会社が直接関係している買取り店。中にはグループ会社であることも）

はたまた一部の買取り店では〜　海外への輸出ネットワークにも自信を持っていたり・・・　と、

これほど多種多角的な流通ネットワークを持つのは大手買取専門店ならでは。

という事は？

これだけの大規模なネットワークを持っていたら〜　それだけ 「買取り後の転売リスク」も少なくなるわけですから、（イザ買取ったが、なかなか売り先が決まらず困った。　相場もどんどん下がるし・・・　というのでは、買取り業務が全く成り立ちませんからね〜　＾＾）

それだけ安定、かつ効率的な査定が可能！　とも言えることでしょう　＾o＾）ノ　（リスクが少ない　＝　売る自信がある　→　それだけ高額査定へつなげる事も十分に可能でしょう）

また事業の方針・方向性によっては、多くの流通・転売先（現場）から上がるリクエストを最大限に活かし、それを査定価格へ反映させる事だって十分に可能と言えるでしょう。（リクエスト　⇒　こういったクルマが欲しい、売れる・・・　みたいな　＾＾）

ちなみに・・・　私はクルマ屋さんですが、

もし、お客様から 「このクルマ、海外ではすごく人気高いんだよね〜」と言われても、海外市場へまで目を向けた査定なんか絶対不可能ですし、やはり下取りするからには〜　当然、会社がそのクルマを在庫として抱えるわけですから、転売先となるネットワークが少ないとどうしても 「万が一」の事を考えてしまうので、そう苦手なつもりはなくとも　そのリスクを少しでも軽減しようと・・・　それを査定価格に反映させてしまうのも本当にごくごく普通の業務・経営の有り方だと思います。（必ず売れると分かっているならば、無理してでも高額査定は可能ですが・・・）

なので、

これほどまでに大規模なネットワークを持つ買取り店は、車業界の私から見ても素直に激凄いと思います・・・　（それだけ強みを持っているとも）

下取り後の転売ネットワークが限られた〜　クルマ屋さんの下取り。

買取り後の転売ネットワークが半端でなくデカイ〜　買取店での買取り。

さて今一度、本気を出せばどちらが最も高額な査定価格を提示する事が出来るでしょうか　＾＾

中古車販売店や新車ディーラー同士での、「下取り価格の競合」はかなり少数か、ほとんど無いと言えるでしょう。

と言うのは・・・

中古車販売店は店舗が沢山あっても、欲しい車のある所でのみ下取り査定する傾向がありますので、多くても２〜３件程度での査定競合。（わざわざ欲しくもない車を、下取り価格だけに釣られて買う・・・　という事はほとんどないはず）

また新車ディーラー系は、同系列メーカー同士での競合を避ける為に「査定基準表」で査定の価格差を作らないようなネットワークがありますので、同じ車種を同系列の色々なディーラーで査定してもらっても基本、査定価額はほぼ同じになるでしょう。（競合出来ないようなシステムに統合されている。　ちなみに他社メーカーと競合をしたとしても、他社メーカーもほぼ同じような「査定基準表」で査定を行いますし、また国内の競合メーカーも限られるので、下取り価格よりも値引き額の競合になる事がほとんどでしょうし）

しかし！

買取り専門店に限っては、全く事情が異なります。

買取専門店は年々増加する傾向で、買取り価格の競合も年々激しくなる一方。　また近年では、インターネットを利用した無料一括査定の比較サービスが随分と普及しており、増々買取り価格の競合が激しくなる一方のようです。

競合が激しくなればなるほど・・・

そう！

どこよりも高額査定を出さなければ、その車を買取る事が出来ませんから、買取り価格が高額査定になる事は必然的。

またより買取りの手を伸ばすためには、あの手この手を使って車屋さんへ流れる下取り車をいかに横取りするかの強化策も絶対不可欠に。（車の売却は、おおよそ買い替えを起点とするパターンが大半ですから、車屋さんの下取りをいかにして横取りするか！　これこそ買取り専門店の最大の神髄奥義とも）

この辺りもいかがでしょう。

買取り専門店で査定してもらう事の大きなメリットのひとつに・・・

「値引き交渉に専念できる」

という点も。

自動車販売店で下取り価格を含めてしまうとどうしても「隠し値引き」などによる数字操作で、本当の真の査定価格や値引き額が曖昧になってしまう可能性がありますが、自動車販売店への下取りが無い状態で商談へ望めば、純粋に 「車両値引きの勝負」ができるはずです。

ちなみにこのメリットを応用し、

購入車両の商談と下取りとは予め分離させておき、

下取り予定車は買取りとで競合し〜　最終的にどちらか有利な方を選択するというマル秘テクニックなんかも。。

下取りは、車の購入時の売却が絶対条件になりますが、買取りは購入の予定段階や購入後でも売却が可能です。

つまり、、

「次の車を探していたら売却の高額査定シーズンを逃してしまった・・・」　「購入検討中に大きな相場変動があり、つい１ヵ月前に査定してもらった時よりもかなり査定が落ちてしまった」　「人気の新車につき納期が長く、査定はかなり抑えられ気味になってしまう（新車の下取り査定は、原則、納期に合わせた予想査定となっています）」・・・といった具合に、下取りは周りの環境などによって価格変動の影響を受けてしまう可能性がありますが、

しかし買取りなら良いタイミングで先手打って売却しておくことも可能ですので、

こういったリスク等から解放されることでしょう。

またこれもけっこう大きなメリットかと。

車屋さんでは、下取りした車を買取り専門店で引き取ってもらう事も多々あります（転売）。

「外車や旧車など専門的な車種で、小売に自信のない車種」　「在庫が多くて追加で在庫を抱えたくない」　「欲しくない車種、下取りしたくない車種」　・・・といった場合など、買取り専門店へ下取り車を転売している車屋さんは皆さまが思っているよりもかなり多く存在します。　もちろんウチも。

ちなみに既にこの時点で、下取り価格　＜　買取り価格　であることは言うまでもありません。

買取り専門店って　影の実力者、縁の下の力持ちだったりも。