車検後に、国土交通省から 「自動車の定期点検整備のご案内について」 という通知が
車検後に、点検整備しているはずなのに実施されていない? 通知がいきなり来てビックリ。
最近はかなり少なくなってきたかな、、 しかしまだこういったトラブルはちょこちょこ出ているようで、これは一体なんなのかと申しますと。。
車検は終わっている。しかし法定義務は終わっていない。
先ずそもそも車検制度について今一度認識してもらいたい。
車検とは~ 自動車検査の略で、当該車両が道路運送車両の保安基準に適合しているかどうかを検査する行事。 つまり法律に適合しているかどうかのチェック。 排ガス濃度やウインカーがきちんと点くか否か、ホーンが鳴るか ヘッドライトの角度 ウォッシャー液が出るかどうかなど、公道を走る上での適正性の確認。 ※ 関連
ということは、法律に違反していない、もしくは規定されていない部分は何らチェックされませんし、修理や手直しすら指摘されません。
例えばブレーキパットが残り1ミリしかなくとも~ ブレーキは効くので車検は問題なし。 例え明日パットが無くなろうと違法ではないので 車検には全く関係ありません。 ていうか、車検でいちいちブレーキパットなんか診られもしませんし。
またベルトの類がヒビ割れていて、また細く摩耗していて 数時間後には切れそうだとしても~ もちろんそんな検査項目ありませんからノータッチ。 バッテリーが寿命寸前でも。 エンジンオイルが全く入ってなくても。 ラジエーターの中がサビだらけでも。 エアフィルターが詰まっていてエンジン不調だとしても。。(まあこの場合は排ガス検査で引っ掛かるかもしれませんが)
そこで、車検が良くても 車両が不具合だらけでは非常に危ないですし怖いです。 なので~ その車検時期に合わせ、別途法律で義務化されているのが法定点検整備。 法定24ヶ月点検整備とか法定点検と呼ばれるもの。
但し、この法定点検整備は車検とは全く異なるものなので、指定整備工場での車検を除き~ 車検の合否判断には一切関わってきません。
つまりその案内が来てしまった車両は、その後者の ”法定点検整備” がまだ実施されていないという事。
じゃあ、それは違法な車検だったの? 手抜き車検?
法的には何ら問題ありません。
現在の車検制度では、車検後の点検整備、もしくは車検前の点検整備のどちらも認められており~ またそもそも点検整備は使用者の保守管理義務の範囲となっておりますので、点検整備の義務を負っているのは業者ではなく使用者ユーザー。 つまり責任の起点は使用者ユーザー自身にあるため~ 業者には何の責任も追及出来ません。
まあ確かに、何も聞かされていないままいきなりこんな案内が来てしまったなら~ 車検を請け負った業者にも何かしら不備は考えられるものの、ただ不親切だった止まり。
業者車検だから全て完結しているだろう、、 との思い込みから突然来る盲点。
しかし違法でもなく手抜きでもないのが現実だったりも。。
※ ただまあ、この法定点検を偽装するよりかはまだマシかな。
安かろう悪かろうの車検の実態
ちなみにその車検に出した業者さんは?
おそらくユーザー車検代行業者さんではないでしょうか。
え? 違う??
車屋さん? カーショップ?
あ、でもしかし、クルマ屋さんの車検だからと言って、必ずしもその車検はユーザー車検代行ではないとは限りませんので、(認証を持たない小さな車屋さんでは、ユーザー車検代行を基本としている事もそこそこ見られます。 もちろん代行ではない業者さんも多いですが。。)
まあそのお店の構えに関わらず、実態はユーザー車検代行だったと思われていて問題ないでしょう。
加え、かなりの格安車検だったのでは?
そりゃ~ 法定点検整備がないですから、安く済んで当然かと。。(車検の中でも、法定点検整備料はかなりのウェイトを占めますから)
まさに安かろう悪かろう。
じゃあじゃあ、今後はどうすれば?
今回は高い勉強代だったと思って、改めて法定点検整備のみ 最寄のクルマ屋さんなどで実施されて下さい。
もちろん法定義務なんでスルーはダメなのは当然ですし、愛車もいつ何処で起こるか分からないトラブルを抱えている状態とも言えますので、出来るだけ早めに願います。
実際、法定点検を怠った事によるトラブルは思いの外多いです。 ベルト切れによる交差点での突然のエンジンストップ。 バッテリー老朽化で遠出先の夜間にエンジンがかからなくなるトラブル。 ラジエター錆びが原因で、冷却水漏れによるオーバーヒート。 オイル量不足による高速道路でのエンジン焼き付き不動トラブル。 突然ブレーキパットが無くなって轟音と共にブレーキが効かなくなるトラブル。。 等々。
ちなみに費用は、車検とは同時に実施する点検とは異なり~ やや割高な料金となる事も多いでしょう。
ここまでくれば まさに安物買いのなんとやら。
車検制度の複雑さから招いた不意のトラブルとも言えますが、今後は価格だけで決められず~ きちんと実施内容も確認してからの車検依頼を。