車屋さんの自動車情報Blog

    

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ユーザー車検に対する「誤認」「危険性」「デメリット」等の再確認

 
2018/10/01
 

車検緩和以来、費用が安く済むから・・・ といって、ユーザー車検にチャレンジされる方も多くなっておりますが、

ただここ近年におきましては、そもそもその「車検」自体に対する誤認も増えて来ているようですから~ それら再確認として、そしてそれら「誤認」から引き起こされる危険性高い事項とか、そもそもの車検制度などについても 何点かご紹介しておこうかと。。。

車検(自動車検査)

先ずは「車検」。

これは「自動車検査」とも呼ばれる部分で、(というよりこちらが正式名称) この検査では主に、社会環境面などから~ 法で定める保安基準に適合しているかどうかの確認を行い、、、

まあそれらを個別に紹介するならば、

  • 排気ガスのチェックとか、
  • ホーンが鳴るかどうかとか、
  • シートベルト警告灯の作動チェック、
  • ヘッドレストがあるかどうか、
  • ウォッシャー液が出るか、
  • ヘッドライトやウインカーに切れはないか、
  • 公道汚染の元となるオイル漏れはないか、
  • スピードメーターの誤差チェック、
  • ヘッドライトの光の向きや色、
  • 発煙筒の期限切れチェック、

と、こういったいわゆる「見た目」や「形」だけの検査が主で、(但し ほんの一部のみの抜粋です)

ちなみに! ここではブレーキパットの残量とか、ベルトの損傷具合なんかが見られる事はありませんが~

ただズバリ! 法的な面で言うと、、、 ここまでが車検であって、ユーザー車検などで検査場でチェックされるモノも、この部分のみを指し、つまり~ これらここで言うチェック等さえクリアしちゃうと、無事、車検に合格して、新しい車検証が発行されちゃうわけで・・・

まあそもそもこの点、こういった点でけっこう勘違いされてしまう事も多いのですが、

しかし

これら車検時におきましては、必要なモノはこれだけで終えてはいけません! 「法定24ヵ月点検」や「定期点検」などと呼ばれる~ いわゆる法定点検の存在を忘れないで下さい!!!

法定点検

そして「法定点検 (通称:24ヵ月点検(貨物車除く)、法定整備とも)」。

この法定点検は~ 車検(自動車検査)と呼ばれる部分に含まれませんが、ただその点検は、その車検の前後のタイミングで必ず実施するようにと、もちろん「法律」で定められており、、、(なので「法定点検」)

もし、車検前にこの法定点検を行わなかった場合には、車検合格後に 別日程ででも~ 改めて実施する必要があり・・・

なおこの点検。 車検前に実施する事を 業界では~ = 前整備・後検査 と言います。 逆に車検後に実施する事を = 前検査・後整備 と言います。

またこれら法定点検では、社会環境面などから見る前者「車検」とは異なり、その車両個々の保守面等から見る~ 車両の維持に関わるとても重要事項な箇所の点検も多く含まれておりますので、(例えば~ ブレーキパット残量や ブレーキ液の隠れた部分での漏れ、ファンベルトなどの損傷など。。。)

これらは絶対に忘れないように実施が必要な事、心の底からご理解願います。

また車検に合格しているからと言って、、、こういった法定点検の重要性を軽視されたり、忘れてしまったり~ その他、車検時にこういった点検が既に含まれ、終わっていると勘違いもされないように願います。

車検後にこれら法定点検を実施する場合は、ユーザー車検時本番などにおいて、窓口の職員の方からそれら法定点検について一応触れられますが、ただそこは「後整備します」と言えば、その場はそのままスルーされ、その後の車検へ話が流れて行ってしまいますので、、、、

そもそもその整備 = 法定点検 の~ 重要性が伝わらないばかりか、後整備だと、イザ車検に合格してしまうと~ その達成感ゆえに? その法定点検の必要性が意識的に薄れてしまったり、場合によっては忘れ去られてしまったり・・・ といった現象も考えられ、

まあこういった体制自体に疑問も多いですが。。。

つまりそのユーザー車検の一連のイベントにおきましては、その他法律で定められた点検整備を含め、

検査場での検査(車検)& 不合格部分の整備

個別の法定点検(24か月点検)& 整備

これら2点のイベントが必ず必要な事、勘違いやお忘れ等ないように。

法定点検を怠ったために起きたトラブル事例

ちなみに~ もし、この法定点検を忘れていたりすると、一体どんな事が起こってしまうのか・・・

まあ必ずしもこうなるとは限りませんが、、、

例えば私の身近なお客様例で言いますと、

混雑交差点でいきなりエンジンストップ。しかも混雑時間の超混雑する市街地の右折レーン最前列で。(つまり渋滞中の交差点のど真ん中で)

原因は・・・オルタネータ―ベルトの老朽損傷が原因で、すでにそのベルトは切れており、(オルタネータ― = 発電機)

つまりベルトが無いので電気が発電されておらず、もちろんその切れた日より バッテリーへの追加充電もされておらず、、、

という事は? そのクルマは、既に数日前から蓄電されていたバッテリーとガソリンだけで走っており、ちょうど上手いこと交差点でバッテリー切れになってしまい、そのままエンジンストップ・・・ みたいな。(あ、ハイブリッドとか電気自動車ではないです。 普通のガソリン車です ^^ ちなみにこれらガソリン車は、電気でエンジン制御を行っているため、いくらガソリンが残っていても~ 発電機が故障するなどしていて さらにバッテリー切れにもなるとエンジンは動きませんから)

大きな事故につながらなくてよかったですが、後で聞いてみると~ つい最近ユーザー車検を行っていたが、ただ法定点検は忘れていて・・・ との事で、

もしその法定点検がきちんと実施されていたなら、このアクシデントは十分に防げていたであろうかと。。。

それともう一つくらい いっときましょうか!?

まあこれは、私の身近ではありませんが、よくよく考えられる事例として、私もウンウンとうなずける とある車屋さんのブログ記事を見つけましたので~

blog.hokkeji.com/?eid=1602966 それがこちらのブログ記事。(うちの車屋のブログではないです)

ブレーキライニングとは、まあ簡単に言えばブレーキパットのようなモノで、軽自動車の後輪によく使われているドラム式ブレーキの部品なのですが、またそれとあわせ、ホイールシリンダーのカップ部分は、その部分はかなり隠れていながら~ 比較的オイル漏れが進行しやすい部分でもあり、

見る人が見れば!!!このどちらの状態もかなり危険な状態と、そう思える状態例ですね~(下手すれば、ブレーキが効かずで~ 重大な事故に発展しかねなかった状態だったとも)

また、ユーザー車検に合格した後の出来事との事で、いかにその「車検」というモノが、一体どんなモノかと伺えよう事例かと。。。

 

そのユーザー車検、なんだか勘違いされてませんか?

そのユーザー車検の前に、これら重要事項の再確認を m(_ _)m

またこういった法定点検は、ユーザー車検の場合だと~ そのユーザー個人が自身でも実施可能ですが、ただ業界内で見ると~ これら法定点検(24か月点検)は、資格を有する整備工場でしか出来ない点検でもあり(有償の場合)、

という事は? それだけ重要度高く、ある程度の技術や知識、その他設備等が必要な点検とも考えられ、そういった法定点検を素人の方がチャレンジされよう事は~ かなり難易度やリスクの高いモノとも考えられ、

ちなみに、じゃあ・・・ と考え、これら法定点検だけ整備工場とか車屋さんに と、そう考えた場合には、逆に、こういったクルマ屋さんでの車検だと、その車検代のほとんどが~これら法定点検に関する費用だったりもするため、(自動車検査に関する手数料は平均4,000円程度。 その他は車検証発行の代行料が加わるくらい)

そういった場合には、初めから自動車検査(車検)も含め、全てその車屋さんにお願いしていた方が~ 得策と思えるケースも多いので、場合によっては、あえてユーザー車検にするメリットがあまり無いと考えられる場合も。。。(またご自身では難しい手直し箇所が出ると、車検入庫ついでの割引価格が可能だったり、場合によってはトータル的にユーザー車検よりお得で手間いらずになる可能性だって。。。)

以上、これからユーザー車検を・・・ とお考えの方へ。 m(_ _)m

追記

尚、車検後の法定点検 (いわゆる前検査・後整備)でなく、車検前の法定点検を実施された場合では、そのユーザー車検の本番時において、窓口にて~ 「点検整備記録簿」の提示を求められる場合もあるようですが、

ただこの時の記録簿の提示は、あくまでその実施の有無を確認しているだけで、その点検結果と現車との一切のチェックや照らし合わせや、点検整備内容の精査はもちろんの事~ (きちんと正しい点検整備が出来ているかどうかとか、またその点検整備の内容に沿った再チェックとか)

それら点検整備内容の合否判断等を・・・ 行っているわけではありません! ので~ これらも予め誤解のないよう願います。

つまり、これら法定点検は いくら法律で定められているからと言っても、あくまでこちらユーザー側の全責任の元で行われる かつ完全なるユーザー任せイベントであるため、いくら運輸支局や検査協会などにこれら記録簿を提出したからと言っても~ その記録簿の点検整備内容に「お墨付き」が付いたり、内容の窓口再確認・再検査はもちろんの事! 何かしらの責任を持ってくれるモノ等ではありませんので、 (← 検査場で検査員が検査してくれるのは、車検に関する事項の箇所のみです!) これらも誤解のないように・・・ と。

※ ただ提出された紙があるかどうかをチェックしているだけ。 中身は一切見てません。

法定点検の実施はしっかりと、かつ抜かりなく!!! ですよ ^^

尚、それでももし! ユーザー車検にチャレンジしてみたい・・・ と、そう思われるなら~ ⇒ ユーザー車検ガイド こちらが少しでもお役に立てればと。。(車屋さんの私が「ならでは」の視点から詳しく解説したチャレンジガイドです)

以上、色々と各ご参考までに。

 

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