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塗装跡の発見、見分け方

 
2018/09/24
 

どうも。 一般財団法人 日本自動車査定協会認定 ”中古自動車査定業務実施店” の車屋さん、かつ中古自動車査定士資格保有の管理人です。

私の中古自動車査定士・資格証です。

えー これまでも、総合的な事故車判別方法(本編)や リアトランクの事故歴発見方法 などを執筆させて頂いておりますが、

そう言えば? 比較的初歩の初歩である ”ボディ表面を塗装した跡(表から見える鈑金塗装跡)” の見分け方について触れていなかったな、、 ということで、

今回ちょっと特集でもしておきましょうか。。

なお、ボディ塗装の見分けは、板金塗装に携わった職人さんの技術によって難易度も変わります。 中には名人・達人級の職人さんもいらっしゃり、そういった方が手掛けた塗装面はプロの私達が見ても見過ごしてしまう可能性があるほどです。 なのでここに挙げます例はあくまで基礎であって、必ず発見出来る方法というものではありませんこと、予めご了承頂けますと幸いです。

先ずは遠くから見ることが重要

査定の第一歩は、少し距離を置いて遠くからボディ全体を眺めることから始めます。

出来れば視線をさほど動かさなくとも 車全体が視界に入るほど離れてみてください。

パネルの何処か一部だけ、他のパネルと色の感じが異なる部分はないですか?(パネル = ドア、フェンダー、ボンネットなど、一枚モノのボディパーツの査定用語)

またパネルとパネルの境目に色の変化が感じられないですか?(隣り合ったパネルの境目を境界に、色が僅かに暗く感じるとか明るく感じるとか)

白系と黒系は分かり難いですが、

青や赤などのカラー系、それからメタリックが入るガンメタやシルバー系であれば、これでそこそこ心当たりが出てくるでしょう。

ちなみにこの段階で違和感が感じられれば、おおむねその箇所が塗装されていると思われても良いほどに 十分に確率があると思われても問題ないでしょう。

新車時からの塗装は見た目違和感が出る事はありません。

但し、金属で出来ているパネル部分と樹脂で出来ているバンパー等部分では、、

そもそも塗料の種類が異なるので それが起因して色が違って見えることが御座います。 また古いものでは、それぞれの経年変化の差で色が違って見えることも多いです。(車種によりますが)

なのでこういった金属部分と樹脂部分との境目に関しては、例え違和感があったとしても ただちにそれが塗装歴に繋がるとは限りませんので、その辺りには予めご注意などのほどを願います。

なお、こういった遠隔目視チェックでは、その時は違和感なくても~ 時間を変え日を変え改めてチェックした場合、(自動車を停める位置や角度によっても) 条件変化によって違和感が発覚することも多いです。 例えば曇りの日は分からなかったが、晴れの日に見たら違和感があったとか、車の停める位置を180度変えてみたら違和感が見つかった! とか、日中見た時は何も感じなかったが、夕方改めて見たら違和感ある部分が出て来た、、 と言った具合に。

ちなみにこれは、塗料の僅かな配合物の違いが光の波長や反射条件によって出てくる物理現象によるものですが、(塗料の配合は何種類・何十種類もの塗料の組み合わせです)

まあここではそこまでの難しい話は無しにして、

とにかく遠隔目視チェックでは、曇りの日、晴れの日、朝日、日中、夕日、日陰、日なた、太陽の角度、、 等々、出来るだけ多く条件を変えてのチェックが望ましいとお考えください。(夜間のヘッドライトや蛍光灯の光で変化が見られることも) またそれを強く推奨させて頂きます。

※ その場での確認で、どうしても時間を置いて何度も確認出来ない状況であれば、最低でもクルマの停める位置を変えるなどしての確認を。 日を変え時間帯を変えてのチェックより確度は落ちてしまいますが、それでも光の当たり加減が変わり何かしらの変化が見られるかもしれませんから。。

中距離、至近距離から塗装肌を確認する

それから、ボディに近づいてからのチェック方法。

ここでは ”塗装肌” の確認を行います。

先ずはとりあえずこんな具合にボディを斜め横方向からチェックされてみてください。

何だか表面が波打っているような箇所は御座いませんか?

波打つ塗装面

写り込む背景が歪んで見え、塗装面が波打って見えます。(クリックで拡大)

何だか他より凸凹している箇所、鳥肌状になっている箇所は御座いませんか?

鳥肌状の塗装面

写り込む背景がザラザラと、塗装面が鳥肌状になってます。(クリックで拡大)

鳥肌状の塗装面 境目

ちなみに上記鳥肌状の塗面と、正常な面の境目(クリックで拡大)

こうなっている部分が確認出来たなら、また明らかにその部分だけの塗面肌がこう見えたなら~

これも十中八九 その部分に鈑金塗装歴があると思われても問題ないでしょう。

ちなみにその他、

角や曲線の部分がやけにボコボコしているケースや、

波打つ角の塗装面

フェンダーアーチの上部。不自然に凸凹してます。(クリックで拡大)

塗装が何だか垂れたようになっているケース、(分かり難いですが、上記フェンダーアーチの手前部分の塗面が、やや垂れかかってます)

それからパテ目がくっきり確認出来るような状態。。(これは斜め方向のチェックでは分かり難いかもしれません)

パテ目

パテ目(クリックで拡大)

こういったパターンもありますが、

パテ目とは?
鈑金塗装の塗装前の下地処理において、下地表面の凸凹した部分等を平らに整形するために ”パテ” と呼ばれるペースト状の補修剤を使うのですが、このパテによる整形時に、サンドペーパーなどで表面を研ぎ慣らす作業があるのですが、このサンドペーパーで研ぎ慣らす作業が荒かったり、またそこからの最終下地処理のサーフェーサ―塗布作業が念入りでなかったりすると、、 塗装後に、そのサンドペーパーでの研ぎ慣らし跡が浮き出てくる現象のこと。 又は浮き出ている状態の事。

ちなみにこういった現象は、塗装直後よりも、、 塗料が十分に乾燥し痩せた頃に出てくることが多い。

まあさすがにここまで塗面状態が悪いものは稀かもしれませんが、

まあこれらも、、 塗装しているか否かの判断基準になるでしょう。(というより、こういった塗面が見られれば~ 先ず間違いなく鈑金塗装しているものとお考え頂いて問題ないでしょう)

ちなみにここまで素人目にも分かるような塗面は、塗装レベルはそう高くないものです。 また特に、角・曲面の部分がボコボコになっていたり、塗装がやや垂れたようになっていたり、パテ目が出ているようではかなりレベルは低いものと思われても問題ないでしょう。

まあ一応余談までに。

※ つまり逆に言えば、名人級の職人さんが塗装されている場合には、こういった目利きでは板金塗装歴を見分けることは先ずできないでしょう。。 と。

・・・とまあ、おおよそこんな感じかな。

ちなみに基本的な塗装歴発見の査定テクニックはこんなものですが、時と場合、それからユーザーさんによっては、これらではちょっと足りない場合もあるでしょう。

しかしそれ以上は、そこそこ業界慣れされたような方でないとなかなか判別がつかないものが多いですので、(塗装された面のクセなどを知らないと分からない、画像ではなかなか説明付き難い、、 等)

今回そこまでは割愛させて頂きたく思います。(もし機会あれば、また別途で触れるかもしれませんが)

以上、皆様のお役に立てる情報でありましたら幸いです。

なお、これら判別方法はあくまで簡易な可能性的なものです。 場合によっては断定できないケースも御座います。 また目利きにはそれなりの経験と知識、感覚も必要とされますので、一般ユーザーや素人の方だと車種や個体差による微妙なニュアンスをくみ取れず、誤判断(査定ミス)につながってしまう可能性も御座います。 (いずれにおいても正確に判断できない可能性がある)

いずれにしてもこれら情報は参考までに、より高い正確性を求められます場合には専門家などへ直接個別にご相談されるなどを願います。

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