スクラップ寸前(廃車寸前)の中古車の流通が変わる?
随分と以前ですが、このブログで「オークションで仕入れた低価格車両の現実」(スクラップ寸前の車が、平然と中古車市場で売買されている現実)
・・・という記事を執筆しましたが、
一部の業界では非難も多く出ているようで、(私のブログに起因したものではなく、以前からの問題)
今年に入って業界が少し動く予兆を見せている模様。
解体業者の現状
その多く非難している業界は・・・
「解体業者」
いわゆる「スクラップ屋さん」なんです。
何故かと言いますと・・・
スクラップ寸前(廃車寸前)、あるいは既にスクラップとなってもおかしくないような自動車が~ 平然とオークション取引されるようになってからと言うもの、、、 解体業者(スクラップ屋さん)にとっては従来のようなスクラップとして入庫される「廃車」が激減しているんです。
そりゃあ多くの自動車販売店ではスクラップ同然の自動車を中古車としてオークションへ出品しているので、(それだけ買う業者も多い・・・ という事ですが)
スクラップとして回ってくる廃車が少なくなって当然でしょう。
で、
解体業者はスクラップを引取って解体するのが仕事ですから、スクラップする廃車が必ず必要です。
しかしそういった理由でスクラップの玉不足。
そうなれば・・・ と、
解体業者もオークション会員となり、オークションで低価格車両を買いあさり~ それをわざわざスクラップにして商いを成り立たせていたのです。(オークション会場と提携して、売れ残りの低価格車を契約買取りする場合も・・・)
しかも!
オークションで売買されると法律的には 「中古車」という扱いになり、、、 もちろんリサイクル預託金の負担も必要となり~ その辺りにも負担が。。。
といった感じで、解体業者にとっては~ 現状そこまでしてスクラップ車両を集めなければ商いにならなくなっており、
つまりスクラップ寸前の車両がオークション売買されるのは~ 解体業者にとってはいい迷惑。 非難 & 反対するのも当然と言えるでしょう。
ガイドライン立ち上がる?
ちなみに~ こういった非難の声が全国で多く上がっている事を、”リサイクル問題研究会” という団体が機関(いわゆる公の機関)へ呼びかけ続け、この度機関が重い腰を上げ、、、
「中古車と廃車の区別をするガイドライン」
といったモノを作成するそうで、
いわゆるこれが~ 今年に入って業界が少し動く予兆を見せているモノの実態と。
まあ今回は、とある団体が中心となって訴えられてきた事に対しての ”動き” ではありますが、
そもそもこういった市場となってしまっている現実の影には、(スクラップ寸前の車が、平然と中古車市場で売買されている現実)
少なくとも~ 一部の不正業者の温床となろう面も見え隠れしており、
関連: ⇒ 低価格車両の一種の不正例
まあ結果的には良い方向へ向かう事を祈るばかりです。。。
但し、こういったガイドラインを制定してしまうと、中古車の自由競争の面からして見ると自由競争の障害となってしまう事は必須でもあり (そうなると、今度はまた別の団体などから反発が出て来るかと)
またそもそも一定ラインで ”中古車” と ”廃車” とを線引きしてしまう事は、業界からしてみると絶対的に不可能かとも考えられ、、、 (自動車市場は売り手に買い手。 つまりどんな状態の車でも需要あれば供給が成り立ってしまうわけで。。)
まあ現実的には~ ガイドラインの構想止まりで終わってしまいそうな気もしておりますが。。
ちなみに私的には、もしそういったガイドラインの制定は難しくとも、少なくとも昨今の消費者市場の現実は十分に察知して頂き、今後何かしらの制度改善などへ向けてはほしいかな。。
その後の状況
一時期ガイドラインうんぬんで盛り上がっておりましたが、2018年現在、結果どうなっているか現況を。。
ガイドラインは結局設定されず。
つまり現在この市場の流れに逆らうようなガイドラインはあまりにも立ちはだかる壁が多すぎで、事実上お手上げ状態とも。
理由その①(個人見解)
ロープライスカー市場の完全定着化。
一時期は海外流入から出来たキッカケは、今現在では国内市場の方が押している状態。
つまりここに来ていきなりガイドラインを設定してしまうと、今度は解体業者よりも多い中古車業界からのさらに増す圧力は必至で、、
理由その②(個人見解)
円高の収束。
円高とともに~ 海外インポーターの数は激減。
つまり、今ロープライスカー市場を支えているのはほぼ大半が国内市場という現状であるため、
ここに来てガイドライン設定は国内ロープライスカー市場そのものの壊滅へと追いやってしまう可能性が大きく、、
中古車販売店はもちろんのこと、これまでのオークション出品での利益も減益、(ロープライスカー保有をしないディーラー系等) もちろんオークション会場業界も。。(ちなみにオークション業界にとっては、ロープライスカー・コーナーはドル箱・虎の子状態の現状もあり。。)
理由その③(個人見解)
競争の自由。
今やロープライスカー市場は、中古車としての流通だけでなく、、 海外輸出、解体業者、廃車買取業者等々~ ありとあらゆる多くの業者がひしめく強競合地帯。
つまりこの牙城を崩してしまうと一番不利益を被ってしまうのは消費者自身とも考えられ。。
これまで廃車買取が成り立っていた市場は、また過去の有料廃車にまで逆戻りする可能性あり。 またロープライスカーを求めるユーザーにとっては半ば強制的な締め出しのような感じにも。
とまあこんな感じで。
ちなみに~ じゃあこの辺りの問題点は結局野放し状態になったの? と、お思いの方も多いかもしれませんが、
実際にはそうではないです。 隠れキャラ的な政策は地下でうごめいております。
増税。
昨今では、新車より13年を超えているクルマには自動車税、それから自動車重量税のダブル増税が制定されており、
またそれら内容も改正毎に徐々にボリュームを増してきている状況も。
つまり日陰から廃車化を推し進めはじめていると。。
とは言え、まだまだその効力は限りなく低いようです。 またこの政策には新車購入を推し進める意味合いが強く、これまでのロープライスカー・ニーズの流れ先がないですから。。
とまあこんな感じで、現況報告も。
以上参考などまでに。