10円パンチ傷、いたずら傷と下取り査定
日本自動車査定協会(JAAI)登録店店主、認定査定士のsadaです。
誰が名付けたか~ 10円玉等の硬貨コインや鍵、ドライバー等鋭利なモノで他人の愛車を傷つけるイタズラ ”10円パンチ”。(傷つけるというより塗装をえぐり削るような)
車屋さんである私は、これまでもう何度となくこの被害(まさに餌食)に遭ったクルマを見て来ているわけですが、、
ところでこういったイタズラ傷を負っている愛車を下取りに出そうと、査定してもらったら~ 一体どのくらい査定評価は下がっちゃうのでしょうか? 何円・何万円、いくら下がる?落ちる?悪い?
日本自動車査定協会(JAAI)基準
先ずJAAI基準での評価。
JAAIでは傷の大きさやボディの部位ごとに減点数などが決まっているのですが、まあおおよそで言うなら、、(輸入車や商用車は除く)
① カードサイズ未満のモノ(傷の大きさ)
一箇所につき一律1万円相当の減点。
但し、一つのパネルで累計3万円以上の減点がある場合には そのパネルではそれ(3万)を限度とする。(ルーフは4万円)
パネルとは?
一枚モノの外板の事。ボンネット、フェンダー、ドアなど一枚区切りで1パネルと言います。ちなみにリアフェンダーとピラー、ルーフ(天井)は それぞれで一枚とします。
② カードサイズ以上、A4サイズ未満
一箇所につき2万円相当の減額。 但し、一つのパネルで累計3万円以上の減点がある場合には そのパネルではそれ(3万)を限度とする。(ルーフは4万円)
③ A4サイズ以上
一律3万円相当の減額。 但し、一つのパネルで累計3万円以上の減点がある場合には そのパネルではそれ(3万)を限度とする。(ルーフは4万円)
- なお、ピラーやステップ部分など細かい部分は これらよりもやや少額な別枠設定あり。(おおよそ半値) それと塗装以外に ”鈑金” が入ってしまう場合には、、 これらよりもっと額が大きくなります。(傷が深い場合などでは別途鈑金が必要となるでしょう)
- ちなみに、ここで言う減額の相当額は(限度額も)、、 車種によって上下変動します。 軽自動車だと0.7を乗じた値(×0.7)、そこから車格毎に乗じる係数が変わり、、 大きなクルマになれば1.4を乗じた値(×1.4)くらいまで上がるでしょう。(まだまだ上はアリ) また車種以外にも車両年式によっても細かく変動しますが、今回ここでは細かすぎるので割愛とさせて頂きます。
- 日本自動車査定協会基準は2018年5月現在のものです。
こんな感じでしょう。
もしボンネットからフロントフェンダ、前後ドア、リアフェンダ、リアトランクにまでかけて傷を付けられていたなら、、 最大18万円相当の減額ということ。(大きいクルマだと25万とか)
これはけっこう痛いですね。。
大半の車屋さんでは
ちなみに、上記例は ”JAAI” 基準で触れてみましたが、、 しかしそもそもJAAI基準で査定されているお店は意外と少ないです。 その他多くの車屋さんでは?
おおむね ”実費減額” という見解が多いでしょう。
それら10円傷を直すといくらかかる? と、鈑金修理費として見積りを出し、その価額を基準価格より差し引くという感じ。
まあ良く言えば合理的な方法かと思われます。
但し、いずれの場合も ”定価” であるケースが一般的であり、またJAAI基準のような ”上限設定” がないことから~ お店によっては非常に高額な減点となる可能性はあり、
合理的ゆえ お店にとって有利になりがちな 逆にユーザーにとってはマイナス面も多いかもしれませんが。。
上記JAAI例と同じパターンを挙げると、(ボンネットからフロントフェンダ、前後ドア、リアフェンダ、リアトランクにまでかけての傷) 定価の高いお店だと倍くらい違う事もあるかもしれません。