母印(拇印)で契約した車のキャンセル
何気なく中古車販売店へ行ってみて、なぜかその場の流れと雰囲気に押されて気が付けば目の前には注文書と営業マンの笑顔。
「母印でも良いですので、この注文書をお願い致します」と。
また一応購入するつもりで車屋さんへ出向いたが、イザ注文書を交わそうと思ったら~ そう言えば印鑑とかは持って来ていない。 どうしよう。 でもしかし営業マンは「母印でもいいですよ」と。
・・・とこんな感じで、自動車購入の注文書 (契約書)に氏名住所などを署名後、印鑑の代わりに ”母印 (拇印。いわゆる指に朱肉を付けて印鑑の代わりとするモノ)” を押し、自動車の購入契約をすまされた事のある方も思いの外多いのではないでしょうか?
ところで~ ここからが本題では御座いますが、
もしこうやって ”母印” にて自動車購入注文書 (契約書)の取り交わしを行った場合、もしその後自宅に帰り冷静になって考えてみて「やっぱり欲しくなくなった」とか、妻から猛反対を受けて 「これはヤバい」とかで、その契約をすませた車のキャンセルを申し出したい場合には、
こういった契約って本当のところどうなんでしょうか。
契約は基本 撤回できる
基本は、それだけでは契約になっていない。 なので当然キャンセルも自由です。
実は~ そもそも ”母印” うんぬんの前に、その注文書に押した印鑑が例え ”きちんとした認印” だったとしても、その署名&捺印 (押印)のある注文書だけではその注文書にかかれた自動車の購入の契約は成立していないんですね~ ^^
なので母印であっても同じ事。
注意事項
但し! これらも印鑑同様の見解と同じくにはなりますが、もしそのキャンセルを申し出たが、既にそのタイミングでは注文書に書かれた条件などに対し ”契約の成立” となりうる契約の履行の着手をされていた・・・ といった場合や、
そもそも契約を成立させてしまう ”内金” などの手付けの種を打って(入れて)いる等の場合には、
まあそういったケースではちょっとすんなりキャンセル・・・ とは行かないでしょうから、(いずれも契約が成立してしまっているので)
その辺りには予めご留意願います。
※ 特に母印契約となっている場合には、それら行為に合わせ内金などの手付けが打たれているパターンは非常に多いと思われますので、特に後者のパターンには予めご注意願います。 またいくら契約は不成立とは言っても、そのキャンセル行為で販売店に損害が出てしまう場合には、(例えば ご自分の都合で遠方からわざわざ取り寄せてもらっていた車両だったとか) その損害の種によっては補償の義務は発生してしまったりの可能性も御座いますので、その辺りにも一応予め。 ←これら辺りは、既出 ”契約が成立する・しない条件” あたりの基準や見解等に準じようかと。
追記補足 ///
ここ近年では、自動車購入の証として注文書ではなく、契約書と書かれた書面を用いる業者さんがチラホラと現れ始めているようです。 ちなみにこういった場合には契約撤回のための状況判断が非常に難しくなってまいりますので、そういった場合にはここで言う見方通りに行かないかもしれません。(当サイト見解の範囲外) またそういった例はまだまだ稀ですので、当方でも対応の仕方など分からない部分がほとんどでして、いずれにしてももしそういった場合にはまずは関連相談機関にてご相談されてみてはいかがでしょうか。
※ 簡単に補足しておくなら、上記見解(当ページ概要)が当てはまるのは、母印を押した書面が ”注文書” である場合に限っての事で、”契約書” となっている場合には一切が通用しないこともございます。 予めご注意ください。 と。
以上何かしらのご参考になればと。