車検切れは査定ダウン？評価が下がる？
日本自動車査定協会（JAAI）登録店店主、認定査定士のsadaです。
ごくたまに、車検切れちゃうと査定が悪くなるから 早めに下取り（売り）に出した方がいい、、 といったアドバイスを聞きますが、
本当に査定下がっちゃうの？ 悪くなる？ またどのくらい下がるの？ 何円・何万円 いくら下がる？
下がるというより付加価値が少なくなります。
まず下がる！ ダウンする！ という言い方は、営業マンがあえて下取りを急がせるために（クルマを買ってもらうために）常用する表現手法のひとつであって、実際には車検残が少なくなることによって付加価値（加点ポイント）が下がり、相対的に評価額が下がるというニュアンスが適正かと。。
ただまあいずれにしても、とある時点から額が下がることについては先ず間違いないでしょうけど。
どのくらい下がるの？
これは査定するお店によって全く異なります。
中古車屋さんの場合はけっこう基準が曖昧なため、かなり適当で具体的な数値として挙げにくいですが、
新車ディーラーの一部や、比較的目視しやすい日本自動車査定協会基準で査定されているお店の場合— 車格や厳密な車検残によっては前後しますが、おおよそ一月当たり 3,000円～4,000円くらいの目減りが目安となるでしょう。（日本自動車査定協会・中古自動車査定基準より）
※ 但し、車検残が3ヶ月を切った時点で付加価値がゼロになるため、（プラスマイナス・ゼロ） そこからは基本的に下がることはないでしょう。（車検切れが直接起因とする減点（マイナスポイント）までは無し）
※ 上記査定基準は平成29年時点での基準を元としております。
ただ中には、非常に危ない下げ方をするお店も。 またその他・・
ちなみにここまで挙げた例は、あくまでその一部です。
先ほど中古車屋さんは基準が曖昧、、 と申しましたように、そもそも査定基準はお店個々によって全く異なるため、
中には想像を超える大げさな評価をしてくるお店も多いです。
例えば、車検が完全に切れたクルマは加点ポイントのチャラ（プラスマイナス・ゼロ）のみに納まらず、あろうことかそこからさらに大幅な減額を行うお店とか。。
日本自動車査定協会基準では、本来 車検切れによる減額（減点）は一切ありませんが、（車検残による付加価値がゼロになった時点が底辺） この例では車検切れによっても減額（減点）が、しかもかなり大幅額で行われているということ。（車検残による付加価値がゼロになり、さらに切れたことによる追加減点・減額も）
また未だ車検は切れてないのだが、、 下取りした数か月後にもし売れ残って切れてしまった場合を想定し、
早期から車検切れと同等の扱いをする業者さんとかも。。（いわゆるオーバー目にリスクマージンを取っておく。 ちなみにこの時、もちろんさらに車検切れによる減点を行うお店も）
でも何でそこまで下げようとするの？
先ず転売のしやすさ。
ユーザーがクルマを買おうと検討する際、やはり車検切れのものより車検付きのモノの方がお得感あり買いやすいですよね？ また車検が短いものより長いものの方がこれもお得感大きく、やはり買いやすいですよね？
つまり検切れの車、もしくはそれに近い状態のクルマは売り難いため ＝ リスクマージンを取っておきたい ＝ 査定を下げて評価しておきたい と。（これはクルマ屋さんの小言ですが、車検切れの車は本当に売れ難いです！ お得感うんぬんもそうですが、何より切れている状態は一般ユーザーからしてイメージが悪いようですし、また切れたら税金止めのためナンバープレートを返納する傾向も多く、これもまたかなりイメージが悪く。。）
それから転売した際の不測のリスク。
下取りしたクルマを車検受け条件にて小売するとした場合、税金や自賠責などの固定費は事前から十分に予測出来ますが、点検や整備に取り掛かってみないと分からない不測の事態は全く分からないことが多いです。
つまり小売時に想定以上の車検代（修繕費用）が掛かってしまうことを恐れ、（※） そのリスクマージンとして 予め大きく査定を減額しておこう！ みたいなのも。
※ 小売時のみに限っては、車検費用は一定額とするお店が大半ですので。（それを超えた分は自社負担が基本）
これはヤバい。
同じ車検切れでもこういった査定評価だけは避けたいですね。。
