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ラジエター冷却水(クーラント、LLC)

 ラジエターの中にある溶液は、冷却水、もしくはLLC(ロングライフクーラント)と呼ばれる液体。

 水に、特定の分量のLLCを混ぜた物が一般的に 「冷却水」と呼ばれています。

 冷却水は、エンジン内部の燃焼や摩擦によって発生する熱を冷やす事を目的としますが、これを単なる 「水」で済ませてしまうと、ラジエター内部などが錆びたり、冬場には水分が凍結し、最悪の場合にはエンジンに亀裂が入ってしまう事も・・・

 そこで、重要なのが「LLC」。 「LLC」は 別名「不凍液」とも呼ばれ、

 ・エンジンやラジエターなど、冷却水が循環する経路内部の錆の発生を抑止する。

 ・冷却水の凍結を防止する。

 ・・・といった役目があります。

 なので、ラジエターの中に入っている冷却水は、赤や緑といった色が付いているんですね〜 ^^ 余談までに \(^^ (溶液が混合されていることが目視できるように)

 ちなみに・・・ エンジン内部を循環する冷却水は、冬場の暖房の熱源としても使われています。 これも余談までに \(^^

 ところで・・・ ラジエター内の冷却水が不足するとどうなるのでしょうか。

 エンジンで発生する熱を冷却しきれずに、オーバーヒートしてしまいます!

 オーバーヒートは、エンジンにとって致命的。

 エンジンの内部がゆがんで異常を引き起こしたり、最悪の場合にはエンジンブローも射程圏内。 もちろん、オーバーヒートしてしまうと、いきなり車も動かなくなります。 こわいですね〜 (;^v^A

 その他・・・ 冷却水が経年変化によって劣化して、汚れてくるとどうなるのでしょうか。

 LLCによるサビ抑止効果が薄くなり、エンジンやラジエター内部でサビが発生しやすくなってしまいます。

 もし、ラジエター内部などでサビが発生してしまうと・・・ 剥がれて漂うサビによって循環経路が詰まり、冷却水の循環不足でオーバーヒートの原因ともなりますし、錆びる事によって、循環経路から水漏れ(冷却水漏れ)に発展する事もあるんですね〜。 こわいですね〜 (;^v^A”

 という事なので、簡単に出来る 「冷却水」のチェック & メンテナンス方法を公開しておきますね〜 ^^

漏れチェック

 エンジンオイル同様に車体の下をチェックするのが基本。

 ・車両の走行後、しばらくアイドリング状態で待機し、数分後に車体の下をのぞいてみる。

 ・その日初めて車に乗る前に、下回りをのぞいてみる。

 この2点が基本中の基本。

 もし、下回りをのぞいてみて、赤や緑色をした溶液がたれていたり、路面に付着していたなら、、 冷却水が漏れている可能性は非常に高いと言え、また漏れの度合いもかなり大きな規模とも言えます。

車体の下をのぞいて 冷却水漏れチェック
画像では判りにくいですが、薄っすら緑色の水跡

 但し・・・ 下回りチェックは大まかなチェック方法です。

 微量な冷却水漏れだと、路面まで水滴が到達する前に、ボンネット内の熱によって蒸発してしまう事も。

 という事なので、定期的にボンネットを開け、

 ・水蒸気が上がっていないか・・・

 ・冷却水の色の付いた蒸発跡(結晶)はないか・・・

 というチェックも、有効なチェック方法のひとつです。

 冷却水漏れのチェックをしていれば、エンジンが壊れなくて済んだのに・・・ というケースは意外と多いです。 チェックはほんの数秒。 ちょっとした 「クセ」を付けるだけで未然に防げるトラブルって多いんですね ^^

 なお、多くの整備士の方は、、 ボンネットを開けた瞬間、冷却水漏れがあるクルマだと、LLC独特の臭いでおおよそ分かると思います。 ちなみにこの臭いで確認する方法は一般ユーザーの方には少々難しいんですが、LLCの臭いは独特のニオイがあるので、いつもと違う臭いがする、、 とか、頻繁にボンネットを開けている方だとおそらくここら辺りの異常には気が付きやすいかと。。
 ちょっと予備知識 ///
 「冬場に暖房が効かなくなった」 ・・・という場合も要注意です。

 車の暖房はエンジン内部を循環する冷却水の熱を利用していますので、冷却水が不足していると暖房装置まで暖かい水が流れて来ないため、暖房が効かなくなる事があります。 冬場に突然暖房が出なくなった場合は先ず冷却水の量をチェックしてみましょう ^v^)ノ (ただ色々な意味でかなり稀なケースではありますが・・・)
 
 下回りの水漏れチェックでは、エアコン作動時に排出される 「ドレン水」と間違えないように! 車も、ルームエアコンと同じように 作動時にドレン水が発生し路面へ排出するシステムが備わっています。 もちろんエアコン作動時に排出される水は無色透明で、故障ではありません。 要注意。 (なお、冷却水は必ず赤や緑といった色が薄っすら付いていますので、それさえ理解していれば容易に見分けは付くかと思われます)

冷却水の量をチェック

 冷却水量のチェックは、わざわざラジエターキャップを外さなくとも〜 サブタンク(予備タンク)横から目視にてチェックできます。

 ラジエター横など、冷却水には必ずサブタンクが設置されていますので、冷間時にタンク内の冷却水の水量が異常に減っていないかをチェックします。

 冷却水が多少漏れていると、冷間時にタンク内の水を吸い上げますので、冷却水漏れの早期発見となる事もあります。

 また、エンジンオイルと同様に、漏れは外部だけでなく、エンジン内部に漏れている事もありますので、

 冷却水漏れのチェックは、下回りの目視チェックだけでなく、水量の定期チェックも必ず行いましょう。

 但し、冷却水は、漏れが無くても多少の蒸発はしますので(特に夏場)、タンク内の水量が少ない場合には、取り合えず水(水道水でOK)を注ぎ足しておき、数日間様子を見て下さいね〜。

 2〜3日置きに減るようであれば要点検です ^^)ノ

冷却水サブタンク その1
冷却水サブタンク その2
冷却水のサブタンク。

ラジエターキャップ横のホースの延長上にあり、内容液は赤や緑色をしていますので、簡単に見つけられると思います。(ただウォッシャー液と間違えないように ^^)
ラジエターと予備タンク
手前がラジエターキャップ。 キャップ横から伸びているホースの延長上のタンクがサブタンク。
予備タンクのキャップ
軽ハコや軽トラ等ラジエターが奥にある車種などでは、サブタンクにクーラントの表示(ENGINE COOLANT等)がある。
軽トラ、軽箱の予備タンク
軽トラや軽ハコ等では、バンパーの隙間(グリル開口部)から液量をチェックするものもある。
 
 サブタンクのキャップを緩める場合には、必ずエンジンや冷却水が冷えた冷間時に。 ラジエター内が高温のままだと〜 内部からの圧力で、キャップを緩めた際に 高温の冷却水や蒸気が飛散しヤケドなどの恐れがあり大変危険です。

ラジエター内の汚れをチェック。冷却水の汚れチェックも

 冷却水の汚れは、まあサブタンクをのぞくとある程度分かるのですが、意外と暗く分かり難いことも多いでしょう。

 また、ラジエター内と状態が異なることもあり、、

 こういった汚れのチェックは、出来る事ならラジエター側でご確認されるのが望ましいでしょう。

 冷間時に、ラジエーターのキャップを外して中の冷却水をチェックします。(ラジエターキャップは、キャップを上から軽く押しながら 反時計回りに回すと簡単に外れます)

 通常は、鮮明な緑や透き通るような赤色(LLCメーカーによって色が違います)になっていますが、明らかに汚れが混じっていたり濁っている場合には、(入口あたりを触ってみて指にサビが付くとかも) 早急に整備工場で交換してもらいましょう。(情報誌で勉強など、素人の方の中途半端な冷却水交換は大変危険です! 気泡の混入によりオーバーヒートする可能性もありますので、交換作業は必ずきちんとした整備工場に依頼する事!

ラジエターキャップ
ラジエターキャップ
キレイな冷却水
キレイな状態の冷却水。 問題ありません
 冷却水の定期交換時期は?
 冷却水は一般的に、目視で劣化や汚れはじめが確認されてから交換、、 といった方も多いですが、一応適正な定期交換時期というものは御座います。 ちなみにクルマの取扱い説明書などにもそういった記載もあるでしょう。

 但し、最近では、、 任意でスーパー・ロング・ライフ・クーラントと呼ばれる 超長寿命のLLCを入れられる方(車)も多く、しかも、交換時、その工場にて使っているLLCによっても交換サイクルが異なってきますので、まあこれら冷却水については、目視チェックでそのタイミングを見極めるのが一番かと。。(そもそもエンジンオイルとは異なり、前回の交換時期が分からなくなっている場合も多いですし)

 ※ なお、過去には車検毎の交換が推奨されていた時代もありますが、これもエンジンオイルと同様に〜 こういった見解も過去のものと言えるでしょう。
 
 ラジエーターキャップを外す場合には、必ずエンジンの冷えている冷間時に行って下さい。 ラジエターキャップは、熱い時に開けるとラジエター内から熱湯や高温の蒸気が噴出しヤケドの恐れがあり大変危険です。(かなりの圧力がかかっているため)

 また、キャップを閉める時にも、閉まっていた位置までキッチリと閉めるように! 中途半端に閉まっていると思わぬ水漏れの原因にもなります・・・。(閉める時も、キャップ上部を軽くおさえるようにして時計回りに回し閉めます)
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