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素人初心者向け、修復歴を見分けよう! 事故歴目利き初級講座。 ページ4

 細かな修復歴の判断には査定の経験や勉強が必要となってきます。(ちなみに私はもちろん、中古自動車査定士の資格持ちです)

 また現在の板金修理技術はかなり発達していますので、プロの目でも分かり難い場合もかなりあるでしょう。(実際プロが出入りするオートオークション取引きでも、修復歴クレームも稀にありますよ)

 なので本来、こういった修復歴の有無は販売店に任せておけば良いのですが、

 しかし時として個人売買など素人取引きのステージにおいて、目利き程度に何かしら必要となる事もあるでしょう。

 実際個人売買で購入後、買取り査定に出したら 「修復歴ありますね・・・」 なんて事も。

 またそもそも個人売買の多くでは、修復歴の有無さえ分からないと申告されるものも少なくないですし。。(ヤフオクなんか見ていると、修復歴 = わからない という物件もけっこう多いですよね)

 というわけで今回、あまり複雑にならない程度で、かつ事故車査定の基礎の基礎を簡単に解説しておきますね。(いわゆる素人初心者向けに。 初級基礎、基本)

事故車の見分け方

STEP.4 最終内診。 確定要素のしっぽを捕まえよう

 最後はより確定要素をつかむべく もっともっと奥深い箇所をチェック。

 ちなみにこの時、これまでのチェックで疑いがもたれる箇所があるなら〜 そこを重点的に。

 またもしなくても、簡易的にサッと流し見くらいはやっておきましょう。

 先ずはドア回りの修復が疑われる場合 ---

 ピラー周りのウェザーストリップを外して、その内側にあるパネル接合部を見ます。

修復歴の見分け方

 ウェザーストリップは、ドアを開口したこの部分 ↑ にあるゴム製品のこと。(赤でチェックしている部分。 いわゆるドアなどから雨水が侵入しないようにする部品)

 外し方はゴムをつまんで、そのまま引っ張るだけで外れます。

修復歴の見分け方2

 但し! やはりゴム製品ゆえ〜 古い車はこうやって引っ張ると破れてしまうことがありますし、(ちなみに年式が新しくても、ゴムのぷよぷよした部分のみを引っ張ると破けるリスクは高いので、出来るだけ根元のかたい部分からつまんで引っ張るように要注意)

 また内側に粘着性のコーキングが施されている車種では、外す時にコーキングが伸びて落ちて内装などを汚してしまう可能性もあり、(冬だとパリパリになったやつがボロボロ落ちて来る事も。 ちなみにこのコーキングは擦って取ろうとしても伸びてより強固に付着してしまうのみですから、なんとか落とさないようにの工夫が先決と言えるでしょう)

 その辺りポイントには十分気を付けてチェックされますよう願います。

 あと一気に全部外してしまわないようにも注意。 チェックは部分々で都度脱着しながらやらないと、取り付け戻す時に上手く長さが合わず大変になってしまうことも。

 なお外したウェザーストリップを元に戻すさいには、しっかり奥まではめ込むように フィニッシュに手でトントンとやるようにするのがよろしいかと。

 外した箇所に見られるパネル接合部には、クランプ跡はありませんか?

 またやや難しいですが、パテ跡など板金塗装したような形跡はありませんか?(左右対称で見比べたりして、明らかに何かを成形し直したような跡)

ピラーの修復歴
↑ パテで成形した痕跡。

 もしそういった箇所が見つかったなら〜 かつそれはセンターピラーかフロントピラーであったなら〜 (⇒ 各ピラー名称はこちらで確認

 ほぼ修復歴確定!

 お疲れ様でした。

 なおこういった結合部に、一定間隔で丸い凹みのようなものがありますが、、 これは製造過程においてのスポット溶接の跡です。 通常は全く気にしなくていいですよ ^-^)ノ

 ただ溶接はロボットによるものですから、逆にこの溶接部分が見た目雑に見えれば〜 それで修復歴につながることも一応。。
スポット溶接跡

 それからリア周りの修復が疑われる場合 ---

 この場合も先ずは、リアドアのウェザーストリップから入ります。(セダンタイプの場合はトランクフード)

 但し! リアに限っては〜 その接合部にクランプ跡や補修後が見られても、それが即時 修復歴という見解にはなりませんので、、 あくまで今後の判断要素のひとつとして考えておきましょう。

 どうでしたか?

 それからさらに、トランクや荷室のスペアタイヤハウスをチェック。(査定用語でのトランクフロア含む、トランクルーム全体)

 塗装修理されたような痕跡はありませんか?

トランクフロアーの事故歴
↑ 塗装され妙にキレイなトランクルーム

 ちなみに手つかずのトランクルームって、塗装は下地塗装のみのややミストがかったような うっすら塗装しかされてませんので、一応参考までに。

 また接合部の要所にコーキングが施されており、そのコーキングの上から真新しい塗装がされていないかという点も査定のポイント。(なおこのコーキングは、新車時はボディ塗装後に施工されますので、通常はこのコーキングに塗装はのっていないのが正常な状態と)

修復歴の見分け方5
↑ ちなみにこれがコーキング

 ちなみに ↑ これがコーキングが施されている部位なんですが、

 さらにこの部分、中央部から左は未塗装で、右側は塗装されている部分なので、

 そのコーキングの上からの塗装状態とか、そもそも未塗装部分のフロアーがどんな感じなのかの参考などにもなるでしょう。(ちなみにボディー色はパールホワイト)

修復歴の見分け方6
↑ クリックで拡大

 いかがでしょうか。

 で、これまでの総合的に見た結果から、、

 トランクフロアが明らかに修繕されているとか、(トランク全体でなくフロアー部分のみを対象。 もちろんリアエンドパネルなど他の部分も修理跡ありの上で) (⇒ リアエンドパネルって何処?

 事故時の余波で何かしらシワ寄せが来ているようであれば〜 (フロアーまでは塗装修理されていないが、リアエンドパネルが何かしら修理されていて、その事故時に波及したシワ寄せがトランクフロアーにまで達しているとか)

 ほぼ修復歴確定!

 お疲れ様でした。 と言う事で。

 ちなみにトランクフロアの修復歴の判断って、意外と難しいです。 明らかであればまだいいですが、リアエンドパネル自体の損傷などは修復歴に当たらないため、トランクフロアとリアエンドパネルとの接合部が微妙な場合には 実際、査定士によっても判断が分かれなど。。

 またトランクルーム全体とも塗装されていなくとも、リアフェンダーのみを介して波及したようなシワ寄せがあれば〜 それも修復歴になりますし。。

 ラストに、フロント周りの修復が疑われる場合 ---

 先ずはボンネットを開けましょう。

 フェンダーの内側、(いわゆるインサイドパネル)

修復歴の見分け方10
↑ クリックで拡大

 それからラジエタ・コアサポート等に損傷、もしくは修理したような跡は見られませんか? (⇒ インサイドパネル? ラジエタ・コアサポート??

コアサポート

 ちなみにここら辺りは、見える箇所の新車時コーキングのほとんどはロボット作業のため、、 また見栄えのため、(エンジンルーム内は頻繁に人の目につくので) コーキングの上からボディ同色に塗装も施されており、(クリアー塗装は無し) 先ほどのトランク周りと ”見方” が異なりやや戸惑う箇所も多いかもしれませんが、

エンジンルームの新車時のコーキング
↑ クリックで拡大

 明らかにインサイドパネルが修理されているとか、ボコボコとか、

インサイドパネルの修復歴
↑ インサイドパネルの修理跡。 ただ修繕がかなり下手で 鉄板がボコボコで接合部にサビもあるので、素人目でも十分。。

 ラジエタ・コアサポートが修理されるなどしており、かつインサイドパネルにその波及が及んでいるようであれば。。(塗装されていないが、なんだかゆがんでいたり凹んでいる箇所が見られるなど。 但し、新車時からの鉄板成形時に出来る波打ちと間違わないようにはご注意を)

 修復歴確定でしょう。

 なお、それからもっと奥深く フロントクロスメンバーやらフロントサイドメンバーやら、、 というポイントもあるんですが、

 まあそこら辺りにまでなると 到底ビギナー向け初級系から脱線してしまいますので、、

 今回はまあこの辺りまでに。

 なお、一応その辺りまで知りたい方がいらっしゃいましたら〜 ⇒ 玄人向け修復歴見分け方講座。 ご興味あればぜひこちらも。
 ちなみにここ近年のラジエタ・コアサポートは、コアサポートを包むようにカバーが付いている車もあり、見た目チェックが出来ない車もあるでしょう。 そういった場合はそこまで無理に外さなくとも、どちらかと言うとインサイドパネル等の方が重要なので、その分インサイドパネルなどに注力してチェックしてみましょう。

 以上、皆様のお役にたてる部分あれば幸いです <(_ _)>

 注意 ///
 ※ もちろんここで解説する事項は見分け方の全てではありません。 またその事故状況によっては、ここで言う解説では修復発見につながらないこともあるでしょう。

 ※ 板金塗装職人によっては、プロの目でもなかなか判別付かないような例もあり、(修理仕上がり) そういった場合にはことさらに、素人目では見切れない事もあるでしょう。(まあここまではやや稀かもしれませんが)

 ※ どのボディタイプの車にも適応できるように、おおむね平均的に解説しておりますが、ただトラックや一部ワゴンなど〜 また高級車など〜 メーカーによっても〜 対応しきれない範囲ももちろん御座います。 またボディタイプの差異から、事故状況によっても当てはまらない事も。 それから外車・輸入車に関しては、、 ここで言う知識が当てはまらない可能性も多いです。 輸入車系は予め除外と言う事でお願い致します。

 ※ 当該基準は、日本自動車査定協会による中古自動車査定基準を基準(標準・基本)としておりますが、その他環境下では若干異なる可能性も御座います。(例: カーオークション会場独自ルール等)

 ※ 最後に、修復歴とは〜 いわゆる外的事故損傷などから来るものが基本原則となっております。 ゆえその骨格部位へ直接ダメージが有る場合には、それだけでは修復歴に該当しないのが基本とお考え下さい。(例: 突き上げによって凹み、修理したトランクフロア ⇒ 事故が起因ではない直接的ダメージ ⇒ 修復歴無し) 但し、ある程度まで軽微なものであることと、そもそも交換しているものに関してはこれら限りではありません。
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もちろん私、中古自動車査定士の資格持ってますんで

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