車屋さんの自動車情報Blog

    

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冠水車・水没車・浸水車の下取り査定

 
2018/11/12
 

日本自動車査定協会(JAAI)登録店店主、認定査定士のsadaです。

極稀ですが、冠水車(水没車)と呼ばれる水害に遭ったクルマが市場に出回ることも御座います。(元水害に遭った冠水歴や水没歴のあるクルマ)

また過去に冠水被害に遭い、しかしなんとか修繕出来て乗り続けられている方もいらっしゃるかもしれません。

ちなみにこういった水害に遭った過去のあるクルマって、(修理済み) 下取り査定はどう評価されるのでしょうか?

また現在水害に遭っており、乗り替えを検討しているのだが、、(未修理) やっぱり下取り価格は難しいのでしょうか?

冠水歴の査定基準

まず過去に冠水歴のあるクルマの査定は、日本自動車検査協会(JAAI)ではこう基準を定めております。(修理されている車両)

① フロアまでの冠水

いわゆるフロアマット等のある床あたりまでの浸水。

ちなみに浸水がフロアまで達していないものは冠水車として取り扱いません。

⇒ 基本価格の30%減額

② クッション上部までの冠水

シート座面あたりまでの浸水。

⇒ 基本価格の40%減額

③ ダッシュボード上部までの冠水

⇒ 基本価格の50%減額

 

意外と査定はありそうですね。

但し、使用は運行上支障がないものに限ります。 修理の必要なものは別途減点考慮あり。 また商品として十分見込める車両に限ります。

しかしこれはあくまでJAAI基準。 そもそもその基準で査定されていないお店ではこんな基準はありませんし、(JAAI基準で査定されているお店って意外と少ないです)

また業界人の私からして見れば、これは ”大甘の甘々評価” としか考えられず、

実際にはもっともっと大幅に厳しい査定評価が適正かつ現実と言えるかもしれません。

水害って、今は大丈夫でも~ 後から出てくる被害というのも多いですから、どのお店もそういった懸念点は決して拭えないでしょうし、また次小売を受けるユーザーの心理や立場を考えたり、それから業界カーオークションでは 冠水車の出品が禁止されている会場もあるくらいで、、 つまり下取り後の転売の難易度の高さもあり、現実現場では大幅に厳しい査定になるのがごく普通の通例と言えるでしょう。

ぶっちゃけ大半が ”ゼロ査定” という厳しい条件だとそう思われていた方がいいかもしれませんね。

但し、とは言っても~ 状況によっては全てが全てとは限らないことも予め。

下取り先ではゼロ評価だったが、任意個別に買取り店めぐりをやってみたら~ けっこういい価格で買い取ってもらえた! なんて事も実際にありますし、(実際に市場に冠水車も出回っておりますので、車種などによっては絶対に市場ニーズがないとも言い切れませんし、また車屋さんが違えばお店個々で考え方が違うことも多いですし。。)

下取り先だって欲しがってくれるクルマであれば~ 納得の値を付けてくれる場合もあるでしょうし。。

浸水直後のクルマの査定

それからこれは、修理している ”歴” のあるクルマでなくて、今まさに水害に遭ったばかりのクルマは?(泥まみれの未修理車。冒頭の画像のような状態のクルマ)

まず十中ハ九、査定は望めないものと思われてください。

考えようによっては、修理見積りして価値減点を行って それでもまだ余剰する場合には当該価値を査定価額として弾き出すことは可能かもしれませんが、(年式の新しいクルマや人気の高いクルマなど)

しかし水害に遭った車両の評価を出すことはプロとてそう容易ではありません。(事故車評価よりまだまだ難しいです)

先ず修繕費の予測からして難しいです。 水害は見えない瑕疵も多いでしょうし。。 それからもし直したとしても、まだまだ隠れた瑕疵や後々トラブルが発生する可能性があるかもしれませんし。。。 とにかく直しても商品になるかどうかすら怪しいものを、そう簡単に評価することは。。。

現実では ”触らぬ神になんとやら”。 積極的に評価に望んでくれるという事はほぼ皆無かとも。(つまり基本的にはゼロ査定であろうかと)

但し、これも~ 状況によっては全てが全てとは限らないことも予め。

確かに下取りでは困難かもしれませんが、そういったクルマを専門に買取りなど行っている業者さんでは??

 

※ なおここに挙げます記事は~ あくまで一例、一部、私の一見解なども含みます。 その他にも、、 またこれら例は必ずしもというわけでも御座いませんことも予め。 もちろん状況などによっては下取り査定の方が好条件であることもあり、いずれにしてもあくまで参考までに願います。

※ 日本自動車査定協会基準は2018年5月現在のものです。

 

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