下取り車、車検受けは損?元取れる?
日本自動車査定協会(JAAI)登録店店主、認定査定士のsadaです。
車検切れを機に(車検切れ前)愛車の買い替えをご検討される方はそこそこ多いでしょう。
まとまった出費するくらいなら買い替えも一考。 また営業マンも、車検は代替推しの一大チャンスですから ここぞとばかりに営業アタックに抜かりはないでしょうし。。
しかしそんなご検討も、ケースバイではなかなか早々事が進まないこともあり、(目当ての中古車がなかなか出てこない、見積り時に納期を聞くと予想外に長くかかりそう、、 等) 場合によっては検討中に車検切れしてしまい、取りあえず車検を受けるか受けないかの選択に迫られてしまうことも。。。
また車検切れを機に買い替え検討されてなくとも、車検受けした直後、突然必要性が出てきて急遽買い替え検討なんてパターンも。
ちなみにこういった場合などで、もし車検を受けたなら、、 下取り価格で元は取れる? やはり損? 車検直後でも元は取れる? 取れない??
これが意外、そこそこ元取れる場合は多いです。
先ず日本自動車査定協会による査定基準によれば、
車検残3ヶ月を切り車検が完全に切れるまでと~ 車検を受け24ヵ月の車検期間延長されたクルマとでは、
中クラスの車(普通車)でおおよそ84点の付加価値点差があり、
内約: 車検残加点51点 + 自賠責残加算18点 + 定期点検整備加点15点(一定期間内に限って加点される特別なもの) = 計84点 (平成27年3月基準)。 ちなみに車検切れの加減点、及び車検受け後の目減り減点については別途こちらにて。
おおむね8万~9万円ほどの査定差が出る事となっております。(車検切れ VS 車検2年付き)
お? これならよほど修繕費が高くかかってないかぎり、また割高な車検でないかぎりは~ 元が取れるのでは?
ちなみにこの基準はあくまで日本自動車査定協会によるものであり、大半の車屋さんではこの基準でそのまま査定ということはないでしょうが、(関連: ⇒ 査定協会基準はあくまで基準。 大半は各社基準による査定が基準)
しかしこのケースにおいては、少なくとも傾向はおおよそ業界全体近いものがあり、またそう言え、
いずれにしてもそこそこ元取れる可能性は高いと言えるでしょう。
査定基準にかなり大雑把な中古車屋さん系でも、やはり車検が2年近く付いていると小売のしやすさや、それから車検切れのリスクマージンを考慮する必要もなくなりますので、車検切れ VS 車検2年付きでは相応の査定価格差は顕著と言えるでしょう。
但し、軽自動車とか、その他 査定価額がそもそも低い車種に関しましては、(査定価額が50万円以下の車とか) 査定価額バランス等からなかなか元は取れないケースは多いですので、(相場10万の車が9万も付加価値が上がってしまったら~ 売れ難くなっちゃいますもんね。 また軽自動車は相場幅が非常に狭いですし。。) それら辺りは一応除外視されておいた方がいいかもしれません。
※ なおこの辺り傾向は、根拠うんぬん業界内で自然と傾向化として見られるものであり、説明つかない部分が多いことも一応予め。
統計上、車検受け後の下取り率は意外と高い。
これは車屋さんやってる人でないと分からないようなデータなんですが、
これが実は! 車検受け直後に下取りに出される方って 思いのほか多いんです。
車検切れ前から、車屋さんにて買い替えの話を進めていたが~ なかなか結論に至らず車検受けの選択肢が迫ってしまった ⇒ 一旦買い替えの話が進み出したら営業マンも早々引き下がれない ⇒ 車検費用相当の査定アップを約束 ⇒ それならば一旦車検を受け引き続き検討を進めよう。。 みたいな?
それとも、
車検受け後に査定してもらったら、十分に納得の行く査定額を提示してくれたから?
まあその辺りの真意までは把握し切れておりませんが、
いずれにしても ”損が無い” 何かしらがないと なかなかそういった統計が出て来ないはずですから、
この傾向も十分 ”アリ” という裏付けにもなるのでは?
ちなみに下取りするクルマ屋さんにとっては、ワンオーナーよりカーナビ付きより、はたまた禁煙車や超美車より ”車検ほぼ丸々付き” の方が何倍も高評価・好印象のポイントになるのも現実。 先述もしましたが、とにかく小売しやすいですし、点検整備が行われていることにより小売時の修繕費も減りますし、それから保証面でも負担軽減できる可能性も高いですからね。。
※ なお、車検ほぼ丸々付きだと、その分車両価格も上乗せになり それが小売しやすいに繋がるとは思えない、、 という意見もありそうですが、これが意外と本当に売れやすいんです。 たった車検が2年近く付いているだけで。。 実際車検切れの中古車を、車両価格に上乗せしてでもわざわざ自社にて車検を受け、車検超長い! なんて店頭に並べるお店もけっこういらっしゃいますし。(販売後に車検を受ける車検付き! ではなく、受けて店頭にならべる~ みたいな)
但し、これにだけは要注意!
ところでこれまで、受けても大丈夫的な流れでしたが、
いくら元が取れるとは言っても~ この点のみは十分ご注意を。
そもそものベースが低ければ、その査定アップも何の意味も成さない という点。
例えば検切れ査定が50万円で、検付き査定がプラス8万で 計58万の評価のお店。
しかしこのお店、その下取り車に全く興味がなく消極的な評価しかしておらず、、 もしくは会社方針上 非常に厳し目の評価しか出来ておらず、、
対しとある積極的な買取り店では、検切れ状態で既に60万円の評価額。 —
もしそこへ検付きで評価してもらったなら?
ちなみに先述のように、検付き車両は非常に高評価となりやすいポイント。 ということは!? 査定に積極的なお店だと そのポイントをまたさらに高く評価してくれる可能性も。。
つまりその車検出費が少しでも無駄にならぬよう~ また出費したからには最大に評価してもらえるよう~
適正価格、またそれ以上の評価の見落とし・スルーには十分ご注意を。 と。