予備検査付き(予備車検付き)の落し穴。ネットで中古車を買うリスク例 Vol.2
特にネットオークション等においては、その取引方法に「予備検査渡し(予備車検渡し)」というものがあり、
で、この予備検査が付いた中古車を購入すれば、新オーナーはわざわざ車検を受けなくとも~ 名義変更時に「丸々車検2年付」の状態で乗り出しが可能・・・ という、ネット経由で中古車を買う(かつ特に個人買では)にはとても素晴らしく便利で嬉しい取引方法のひとつではありますが、
※ 参考までに・・・ 予備検査とは? またそれら概要など(2つ目を参照)
しかし実はこの予備検査渡しの中古車、
ぶっちゃけ皆さんが思っているよりも~ それほど「お得」ではない場合も多く、またそもそも根本的からも完全に勘違いされている方も多いので~ 以下予め十分にご熟知のほどを。
※ 尚 これら車検につきましては、公正取引の面から見た表現やら一般的な俗称、その他 法的根拠が基になった正式な意味合いとかいろいろと入り混じって、いくら出来るだけ簡単に説明しようと思ってはいても~ なんだかそれでも全くごちゃごちゃした解説になってしまっており、、、 まあこれらなんとなくでも最後までご閲覧頂ければ幸いに存じております m(_ _)m
法定点検(定期点検)は基本別途
その予備検査渡しでは原則、法定点検(いわゆる法定24か月定期点検整備。 法定整備とも)はされていないと思うべし!
ちょっと説明すると色々と細かく、かつとてもややこしい解説となってしまいますので~ それら理由などはかなり簡略化させて頂きたく思いますが、
その予備検査渡しはいくら ”車検2年付” とは言っても、一応は車検には違いありませんが、、、 ただ皆様にとってもかなり身近なディーラーとか車検整備工場などにて受ける ”車検” とは根本的から意味合いが異なっておりますこと、これら予めご留意願います。
尚ここで言う ”車検2年付” とは、また公正取引協議会で言う ”車検2年付” といった表現・表記とは異なり、あくまで車検の有効期間のみが2年付いてくる~ もしくは一般的な ”継続検査 (⇒ 所有中の愛車のいつもの車検。 かつ請求書ベース)” 等という意味で用いておりますので(以下も同じ)、その辺りも予め。。
つまり・・・
もうこの辺りから随分とややこしいかもしれませんが、
そもそも ”車検” というモノは、それをディーラー等の車検整備工場などへ依頼すれば~ ほぼ必ず ”車検(自動車検査)” + ”法定点検(法定24か月定期点検整備)” がワンセットで実施され、その後納車されますのでちょっと分かり難いんですが、(厳密に言えば ”車検証の更新(交付)” もそれらに加わる形になってはおりますが、まあここではそれらまで言っちゃうと話がもっとややこしくなってしまうため、ここでは御割愛という事で)
しかしここで言う予備検査(予備車検)では、上記で言うと ”車検 (自動車検査)” の部分しか指さず、その自動車検査の前後にて必ず実施しなければならないとされている(法律で決まってます)もう一方の ”法定点検 (法定24か月定期点検整備)” の部分までは含んでおりませんので、
そもそも車検とは本来、前者の ”自動車検査” のみの部分を指すのですが・・・ ただ一般的にクルマ屋さんなどへ依頼すると法定点検等の部分も ”含み” であるのが普通であるため~ またそういった一連一セットを俗称として ”車検” とそう呼んでしまっているため~ まあこの辺りがこれらを随分とややこしくしてしまっている要因とも言えるかな。。
つまりその予備検査渡しのみでは ”法定点検” までは基本未実施である可能性は高く、
但しあくまで可能性です。 場合によっては法定点検まで別途でやってくれているパターンも稀にはあるようですから。。(⇒ ただ法定点検含みであれば、そもそもそこは十分にアピールポイントになろうかと思われ、こういった点は予めから売主さんもそこは抜かりなくアピールされていようかとは思われますが)
しかしとは言っても、でもやはり大半は未実施であろうかと。。(⇒ ということは基本、その予備検査付に ”法定点検含み” 等といったアピールがない限りは~ これらほぼ未実施であると そうご判断頂いても問題はないでしょう)
よってそれら法定点検が未実施であったなら~ = その自動車購入後また改めての別途 ”法定点検” が必要である (もちろんそれら費用とかは全て購入者持ち)。 と。
と、おおよそこんな感じかな。
まとめ① ///
予備検査付きでは大半が法定点検(法律による義務)までは含んでおりませんので、購入後別途購入者の費用負担で当該点検を受ける必要あり。
※ 費用の目安は点検代20,000円前後。もちろん点検の結果手直しや修繕が必要であればその部分はまた別途。
予備検査には明確化された法定点検義務がない
ちなみにこの法定点検。 ごく一般的な車検ならまだしも~ 実は予備検査においてはいまいち明確化されたモノは存在しておらず、しかしかといってやはりその法定点検は非常に重要な点検である事には全く変わりありませんので、
例えば・・・
いくら予備検査にて ”車検2年付” とは言っても、そもそも車検(自動車検査)のみでは~ ブレーキパットの残量とかベルト類の劣化状態、その他細かい消耗品の状態状況などまでは絶対にチェックされることはありませんので、、、
という事は!? 愛車が例え~
- ブレーキパットが残り0.1mm
- ファンベルト等が切れる寸前
- バッテリーが超弱っていて上がる一歩手前
- エンジンオイルがカラカラでほとんどない
- 冷却水がサビだらけのドロドロ
といった状態・状況だとしても、その予備検査(車検)に合格するには必要十分な状態だとも言え、、
つまりそのクルマが例えこういった状態だったとしても、それら状態は車検には全く関係の無い部分ですので~ 何事もなく気持ちよく車検に合格してしまう ⇒ 予備検査合格 ⇒ 車検2年付。 というわけ。
ちなみに~ そういった車検では点検整備し切れていない隠れた不具合部分の点検整備などは、何を隠そう! この法定点検 (法定24か月定期点検整備)の他にはなく、、
まあそもそも車検と法定点検とでは それぞれの実施の意味合いや目的、意図などからして全く異なるモノであるため、本来ならこういった隠れた部分のカバー的表現はやや不適切かと思われますが、
ただここは説明の簡素化のためであってこれら何卒 m(_ _)m
よってどれほどこの法定点検が重要であるか。。。
また車検が付いている! と言われると、何だか整備もきちんと行われている~ と、ごく一般消費者の方々ならそう思ってしまいがちですが (安心感があるとも)、
しかしまあ現実はこんなところだと。
よってどれほどこの法定点検が重要であるか。。。
と、またこれらも参考までに。
※ なお一応加え念押しの意味も込め、状況などこそ違いますが、法定点検を怠ったことによる とあるアクシデント・トラブル事例 を ←こちらにて記事公開しておりますので、よろしければそちらもどうぞご参考までに。。
まとめ② ///
予備検査付き = 車検のみ合格状態 ⇒ では安心してクルマに乗ることが出来ません! いかなる理由等あっても必ず別途法定点検の実施は必要とお考えください。
税金とかも別途! 保険代も別途!!
”車検丸々2年!” とか言っても、丸々なのはあくまで車検の有効期間のみ。 その他付随する税金類とかの諸費用は ”別途” だと思うべし!
何度も繰り返すようですが、
その予備検査渡しはいくら ”車検2年付” とは言っても、一応は車検には違いありませんが、、、 ただ皆様にとってもかなり身近なディーラーとか車検整備工場などにて受けるものとは根本的から意味合いが異なっておりますこと、また再度ご認識 & ご確認下さい。(ディーラーなどで車検と呼ばれているモノはいわゆる俗称であって、本来車検というモノは ”自動車検査” の部分のみを指す。 等)
つまり・・・
これもまた繰り返しますが、
ここで言う予備検査(予備車検)とは ”車検(自動車検査)” の部分のみを指し、その他俗に言うディーラー車検などでは加え必ずセットとなっているはずの ”法定点検” にまつわる部分、そして ”車検証の更新(交付)” 手続きに関する部分とかは全く含んでおりません。
という事は!?
その予備検査付きの自動車を名義変更され、イザ車検証を交付してもらおうと! そう思ったとき、
ディーラー車検などでは一式(請求書ベース)に含まれているとされる ”自賠責保険” とか ”自動車重量税” といった諸費用もまた別途負担する必要がある。
という事。
ここでもその ”車検” という言葉に、この度は ”安心” のみならず ”お得感” までもが高く錯覚してしまいそうですが、
現実・実態はまあこんなところだと。。
ちなみに~ ここまでの解説程度ではちょっと具体性に欠けるかとも思われますので、それらその車検ではどこまでどのくらいのオトク度なの? と、そういった観点からの表をちょっと作成してみましたので、以下少しでもご参考になればと。
※ 補足。 2018年10月現在では、検査手数料が100円前後若干変更されております。(その工場によって変動)
う~ん。。。 しかし改めてこうやって見てみると、その予備検査自体にはそう大したオトク度はない?
まあそこそこに年式が古く走行距離の多い車ならまだしも、比較的年式が新しく、かつ走行距離も少ないような~ そもそも点検整備からしてあまり手直しの必要のなさそうなクルマだと~
まあまずそこに ”オトク” という観点は持たない方がいいかな?
まとめ③ ///
名義変更時には、自動車重量税や自賠責保険(共済)といった費用も別途必要となってきます。
手直しリスクなんかも
予備検査付き = 車検2年付き = 既に車検にはきちんと合格済み ⇒ しかしその基準は自身の理想とは桁外れの結果も覚悟しておくべし!
つまり~ そもそもいくら車検(自動車検査)には合格している状態で引き渡してくれる! とは言っても、その合格に至った手直し部分・手段ですら、ひょっとしたら必要最小限・必要最低限でしか対応されていない可能性もあり・・・
例えば、
車検でよく不合格になりやすい部分で、排気マフラーからの排気漏れ・・・ というモノがあるが、基本これら排気漏れを直し合格基準を確保しようとすれば、、、 ①新品交換、 ②中古品交換、 ③溶接、 ④応急パテ といった何種類かの手段があり、また先者ほどよりきちんとしたある意味高度な修繕手段と言えるが~
しかしここの部分はひょっとしたら(手直ししていたとすれば)~
⇒ 2・3日もすればまた剥がれてくるかもしれない ④応急パテ でしか対応されていないかもしれません。(車検というものは、そもそもその検査時の一瞬だけでも合格基準を満たしてさえいれば~ それでそこの部分は晴れて合格 ⇒ 車検2年! といった、一般の方が聞けば誰もが驚愕するような一面があったりもしますので。。)
例えば、
同じく今度はタイヤの残り溝では~
⇒ もうあと数か月しか持たないであろう中古タイヤ、しかもメーカーバラバラの組み合わせ(安く済ませたいがためのかき集め)でしか対応されていないかもしれません。
・・・と、こういった具合に、まあ話せばまだまだキリがないほど多く考えられますが、
よって予備車検で車検は付いている(合格している)~ からといっても、その車検2年付きが必ずしも安易に 自身の理想に重なるとも限りません事も予め。
※ 類似・参考までに ⇒ 車検受け渡しでの手抜き車検事例
但し、これら車検合格に対する手直しリスクでは、そもそも個人々による価値観の違いからも発生する可能性は高いです。
つまり、車検に合格さえすれば~ 例えそれが応急的手段であったとしても、それが一番適正な手段だ! と考えている人もいれば、逆にその部分はこれから先何年もまた同じ支障が出ないようにと、不合格部分は新品交換などより強固に確実に修繕しておくのが最善手だ! と考えている人もいらっしゃるわけで、、、
まあこれまでの私の解説があまりにも極端すぎるので やや勘違いされている方も多いかと思われますが、これらリスクは必ずしも故意・悪意? などから来るとは限らず、その辺り加え、予めご留意のほどを願います。
また~ そうは言っても少なくとも、手直しは手直し。
上記これらはやや極端な例などではあるかもしれませんが、ただあくまで車検に合格しているー となると、それはそれで十分 ”合法” であり、何か法律に抵触するわけではありませんし、(その検査自体は、国家試験をもつ検査員の目でチェック& 判断されるわけですから)
まあ少なくとも ”手直し” はされているとそう考えると、また実際に手直しされているならば、それもそれで車検 (その箇所部位)に対する現状手直しの心配(多少なりと費用的な面も)は省けているのも間違いのない事実であろうかとも思われますので、(つまり現時点においては、少なくとも車検に合格する状態には整備されている)
一応これらも予め。
まとめ④ ///
車検には合格 = その部分だけでも安心! というわけにも行かないことも。。
されど車検2年付き
しかしかといって、その予備検査付きはあまりメリットがないモノ。 だとも思ってしまわないようにもするべし!
確かに、まあこれまでの解説からいくと、なーんだ下手すりゃ損? という見方も出来ようかと思われますが、(予備検査付き! と言われれば、場合によってはその価値観が過大に評価されすぎて~ ネットオークションならついつい高値が付いちゃう・・・ という事も考えられ、しかしよくよく冷静になって考えてみれば、それよりも車検切れを買ってこちらで思うように車検を受けて乗り出した方が数段良さそうなのでは? と)
また考え様によっては、予備検査付き = ユーザー車検などによるこちらの持込検査がただ省けるだけ。 と、そうともとれる状態でしかないとも言えますが、(名義変更も、結局はその検査場(⇒ 自動車検査を行う施設)に隣接する運輸支局や軽自動車検査協会(軽のみ)へ行ってのお手続きとなりますし)
しかしそうかと言っても~
やはりは車検2年付き。 されど車検2年付き。
例えその、予備検査付き = ユーザー車検などによる こちらの持込検査がただ省けただけ。 と、そうともとれる状態でしかないとしても、そのユーザー車検での持込検査が省けることによる恩恵は思いの外大きいとも。
※ 参考までに ⇒ ユーザー車検の前に、こういった現実の再認識も
まあ後は自身次第かな?
以上、色々と各ご参考までに。